1991年(平成3年)の日本新語・流行語大賞です。
1984年から開始され、この年は第8回に当たります。

前年・翌年と、すべての年の流行語についてはこちらをご覧ください。

子供ながらによく聞いた覚えがあるフレーズが3つありました。
年間大賞の「○○じゃあ~りませんか」と大衆部門金賞「僕は死にましぇ~ん」と銀賞の「ダダーン ボヨヨン ボヨヨン」です。
年間大賞については若くても関西の方であれば知っていそうですね。

公式サイトの発表はこちら「1991年の日本新語・流行語大賞」です。

1991年の日本新語・流行語大賞

1991 年間大賞

「…じゃあ~りませんか」 吉本興業の芸人・チャーリー浜さんのギャグ。
以前から新喜劇では使われていたフレーズでしたが、この年放送されたサントリー「ポケメシ」でのテレビCMのセリフ「ポケメシじゃ、あ~りませんか」がきっかけとなり流行語に。
受賞者はご本人のチャーリー浜さん。

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1991 新語部門

金賞
火砕流 雲仙・普賢岳の大噴火が起き大きな人的被害を出しました。前年1990年に噴火し火砕流が発生、特に1991年6月3日に発生した火砕流では溶岩ドームから3.2km地点まで到達(火砕サージは5km地点まで)し、報道関係者や消防関係者ら死者43名という大惨事に。
この時被害を大きくしたのは火砕流で、当時はまだこの火砕流に対する認識が薄く被害を大きくした背景があります。
火砕流は「火山砕屑物の流れ」を略したもので、写真などで見ると煙のように見えますが、気体と固体粒子(マグマの細かい破片)が入り混じった密度流で、山にもよりますがその温度は100度から1000度くらいとされ、100km/hもの速度で流れてきます。
これ以降マスコミでは頻繁に「火砕流」のワードが使われ広く知られるようになりました。
受賞者は気象庁雲仙岳測候所の花田簡輔とほかのみなさん。
銀賞
「ひとめぼれ」 「ササニシキ」の後継として誕生したブランド米。「コシヒカリ」と「初星」の交配から誕生し、その親しみやすいネーミングも話題に。
この年、水稲農林313号で「ひとめぼれ」として命名登録され、翌1992年に種苗法による品種登録されました。
粘りが強く冷めても食味が良い、そして良耐冷性がありコシヒカリよりも育てやすいのが特徴。
受賞者は命名者の伊藤亘さん。
銅賞
八月革命 8月18日、モスクワで起きたクーデター。
クリミア半島の大統領別荘におり不在だったソ連の最高指導者ゴルバチョフさんに対して、ゲンナジー・ヤナーエフさんなど守旧派が中心となり引き起こしましたが、ボリス・エリツィンさんを中心とした市民などの抵抗があり失敗します
この騒動は日本でも大々的に報道されますがおよそ3日で収束。ただしソ連崩壊の引き金ともいえる出来事でした。
受賞者は該当者無し。

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1991 表現部門

金賞
川崎劇場 決して強くはないものの劇的な展開の面白い試合が多かったといわれていたロッテ・オリオンズが千葉への移転と「千葉ロッテマリーンズ」への改称が決定。
ロッテ・オリオンズが本拠地としていた川崎球場が「テレビじゃ見れない川崎劇場」をキャッチコピーに行っていたテレビCMも話題になり、この年の観客動員は102万1000人に。同球団史上初の100万人突破となりました。
受賞者は元ロッテ・オリオンズ監督の金田正一さん。
銀賞
地球にやさしい 80年代後半から環境問題が盛んに取り上げられるようになり、この頃から「地球にやさしい」というキャッチフレーズが使われ始めます。
誰がいつ作ったものなのか正確な情報は確認できませんが、環境庁編の環境白書「地球にやさしい足元からの行動に向けて」が前年の1990年5月に出版されていますので、これより少し前くらいかと予想できます。
環境破壊を防ぐにあたり難しい堅苦しい言葉でなく、わかりやすく的確なこのネーミングがこの年よく聞かれるようになりました。
受賞者は「地球にやさしい」に取り組んだとされる講談社から、学芸局局長の田代忠之さん。
銅賞
紺ブレ 保守的なファッションを意味する「コンサバ系」の代表的な着こなしとして「紺のブレザー」略して『紺ブレ』が流行。
この年1月7日から放送された「東京ラブストーリー」のヒロインである鈴木保奈美さん演じる「赤名リカ」が着ていたのがきっかけと言われています。
受賞者は自称紺ブレ着こなし自慢代表。

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1991 流行語部門

金賞
若貴 この年大相撲では若花田(後の若ノ花)と貴花田(後の貴乃花)の兄弟が大活躍。「若貴フィーバー」と呼ばれ、大相撲ブームを牽引しただけでなく相撲ファン以外の層にもよく知られた存在になりました。
マスコミでは連日のように「若貴」兄弟の様子や生い立ち、母親の憲子への取材などが取り上げられました。
受賞者はおかみさんこと花田憲子さん。
銀賞
重大な決意 9月30日、政治改革関連3法案が小此木彦三郎委員長の宣言により廃案に。これを受け当時首相の海部俊樹さんが「重大な決意で臨む」と発言し衆議院の解散総選挙を匂わせますが、自民党内で反発があり「海部おろし」と呼ばれる党内の倒閣運動により退陣に追い込まれました。
この「重大な決意」が解散総選挙を表現した言葉としてマスコミで使われ話題に。
受賞者は政治家(当時自民党)で、廃案に抗議したとされる石破茂さん、簗瀬進さん、今津寛さん、佐藤謙一郎さんの4名。
銅賞
損失補填 損失補填(そんしつほてん)は、証券会社が株価下落による顧客の損失を埋めるための利益提供のことで、この年証券会社による大企業など大口の顧客への損失補填が社会問題になりました。
それまでの証券取引法では、取引前の損失保証や損失が生じてからの補填については想定いませんでしたが、その後年内の証券取引法改正により損失の保証・補填が禁止されました。
株に関係ない場所でも「損失補填しろ!」の様な言い回しが使われるなどの現象も起きました。
受賞者は全国証券問題研究会の武井共夫さん。

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1991 大衆部門

金賞
「僕は死にましぇ~ん」 フジテレビ系で7月1日から9月16日まで毎週月曜日21:00から放送していたドラマ「101回目のプロポーズ」で武田鉄矢さん演じる星野達郎が言うセリフ。
浅野温子さん演じる矢吹薫が以前のように恋人を失う(亡くす)ことが怖いとの告白に対して、達郎が突然走り出しダンプカーの前に飛び出し、ギリギリのところでダンプカーが止まった後に『僕は死にましぇん。僕は死にましぇん! あなたが好きだから、僕は死にましぇん。僕が、幸せにしますからぁ!』と絶叫。
さえない中年男が綺麗な女性を射止めるというストーリーも相まってインパクトのあるシーンとなり話題に。
受賞者は武田鉄矢さん。
銀賞
「ダダーン ボヨヨン ボヨヨン」 ピップフジモト(現:ピップ)の栄養ドリンク「ダダン」のテレビCMでアマゾネス風の大きな女性が『ダ・ダーン! ボヨヨン、ボヨヨン、ダ・ダーン!』というセリフと振り付けが強烈な印象を残し話題に。
ダ・ダーンの部分で力こぶを作るポーズをし、ボヨヨンの部分で胸を揺らす仕草をします。
出演している女性の正体はアメリカの女子プロレスラー「レジー・ベネット」さんで、このCMを機に日本でもプロレスの活動をはじめました。
受賞者は当時ピップフジモト代表取締役社長の松浦義二さん。
銅賞
ダンス甲子園 日本テレビ系列で放送されていた「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」番組内でダンスを競う企画。
テレビタレントではなく一般の高校生などが主に出演していて、本格的なダンスで勝負したり面白さを狙ったもの、独特な動きなど様々なパフォーマンスが見られ人気に。
元タレントで政治家の山本太郎は「アジャ・コング&戸塚ヨットスクールズ」の「メロリンキュー」として出場していました。
受賞者は「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」。

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1991 特別部門

特別賞
チャネリング 宗教の「幸福の科学」大川隆法さんの著書やマスコミの影響で、霊界と交信してその言葉を語らせる「チャネリング」が流行。また、チャネリングを行う人を「チャネラー」といいます。
「チャネリング」は日本語でいう「口寄せ」や「イタコ」のような行為ができるというもので、大川さんは釈迦やキリストや坂本竜馬とも交信できるなどの発言があるようです。
一般的大衆が完全にこのチャネリングを信じ込んでの受賞でなく、怪しんだり完全に嘘だと感じたり信じる人もいるなど様々な意見があり話題になっています。
受賞者は大川隆法さん。
連鎖語賞
雅美さん、雅子さん、たぬき顔 二枚目俳優の上原謙さんと元夫婦だった、大林雅美さんが義理の息子に当たる加山雄三一家との確執を著書「悪い女かしら」などで暴露、不倫疑惑なども浮上し芸能レポーター達の格好のネタになり、悪女としての扱いになってしまいます。
そんな中梨元勝さんが彼女に対し嘘つきの意味で「たぬき顔」と揶揄し告訴されたとのこと。
雅美さんは本名の雅子として名前を変えて活動することもあるためこの受賞ワードになったものと思われます。
上原さんは日本映画界の大スターで、息子は加山雄三さん。1975年に38歳年下の大林雅美さんと結婚しますが、1991年6月に離婚。
受賞者は芸能レポーターの梨元勝さん。

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他の年の流行語について

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