1990年(平成2年)の「日本新語・流行語大賞」一覧と解説

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1990年(平成2年)の日本新語・流行語大賞です。
1984年から開始され、この年は第7回に当たります。

前年・翌年と、すべての年の流行語についてはこちらをご覧ください。

気になったのは流行語部門の金賞「ちびまる子ちゃん」と流行語部門の銅賞「一番搾り」。
それぞれ今でも人気のあるアニメと商品ですね。

新語部門の金賞「ファジィ」は子供の頃になんとなく聞いた事があるのを思い出しました。


公式サイトの発表はこちら「1990年の日本新語・流行語大賞」です。

1990 新語部門
金賞
ファジィ 「ファジィ」(fuzzy)は英語で「あいまい」を意味する言葉で、家電製品にこのファジィを取り入れたのが松下電器産業(現:パナソニック)の洗濯機で、汚れの程度やその質を判断(厳密でなくファジィに)して洗濯時間を調整してくれる製品でした。
ファジィの概念についてはアゼルバイジャンの学者・ロトフィ・ザデーさんが提唱したファジィ集合・ファジィ論理を応用したものです。
松下製品のヒットを受けて大手電気メーカーは次々とファジィを取り入れた製品を発売します。
受賞者は松下電器産業の電化本部電化研究所所長・三上遵太郎さん。
銀賞
“ブッシュ”ホン 当時首相だった海部俊樹さんが、当時アメリカ大統領のジョージ・H・W・ブッシュさん(父ブッシュと呼ばれている方です)からの電話でイエスマン的に何でも聞き入れてしまう様子を表現した言葉。日経のコラムで使われはじめ、日米首脳の関係性をとらえているとして他のマスコミでもこの「ブッシュホン」(ブッシュフォン)が使われるようになりました。
よく取り上げられる事例としては湾岸戦争時の戦費として多国籍軍に130億米ドルもの資金を提供し、国内では「アメリカの言いなりになり無駄金を拠出した」のような批判が起きました。
受賞者は当時日本経済新聞社政治部の岡崎守恭さん。
銅賞
オヤジギャル 年が若いのに行動は「オヤジ」のような女性を指す言葉。電車の中でスポーツ新聞を読んだり、ゴルフバッグを抱えて出社する、疲れたらユンケル皇帝液を飲むなどが挙げられます。
週刊誌「SPA!」で連載していた漫画「スイートスポット」で描かれた主人公で大手物産会社に勤めるOLの小山田ノンが「オヤジギャル」として描かれており、これが女性にうけ同じような行動をとる人達に対しても使われるようになりました。
受賞者はスイートスポット作者で漫画家の中尊寺ゆつ子さん。
表現賞
アッシーくん 女性が遊ぶときの移動や終電後の自宅や駅への送り迎えなどを、自分の自動車で行う男性のこと。電話を一本で駆けつけ、運転して送り届けるだけの役。
移動手段の「足」である事から「アッシー」に。
他にもご飯をおごってくれる「メッシーくん」(飯)や、物品を女性に贈る「ミツグくん」(貢ぐ)なども存在しましたが、その後のバブル崩壊と共にその数は激減することになりました。
受賞者は自称「アッシーくん」たち。
1990 流行語部門
金賞
ちびまる子ちゃん(現象) 少女漫画雑誌「りぼん」で連載されていた「ちびまる子ちゃん」が1990年1月7日にテレビ放送を開始、瞬く間に大人気アニメとなります。
このブームをアメリカの「ワシントン・ポスト」が『日本人の心とマーケットをかっさらった漫画』として紹介しました。
受賞者はザ・ワシントン・ポスト東京支局記者のトーマス・リードさん。
銀賞
バブル経済 当時の株価や地価(土地の価格)は実体経済からかけ離れた値で上がり続けていました。
「バブル」の意味は、泡のように膨らみ続けるといつかは弾けてなくなってしまう様子を景気に置き換えて表現した言葉で、この頃から人々はこの好景気が続かなくなると感じ始め、テレビや雑誌でもこの「バブル」の文字を見かけるようになりました。
受賞者は該当なし。
銅賞
一番搾り キリンビールがアサヒスーパードライの大ヒットに対抗して発売した「キリン一番搾り生ビール」が大ヒット商品に。
ビールの製造工程において麦汁をろ過する際に最初に流れ出る、渋みが少ないとされる一番麦汁を使ったビール。
この一番搾りのヒットにより1988年から50%を割っていた国内シェアを、1991年には再び50%に復活させました。
なおビール会社各社がスーパードライをめぐってシェア争いを行った「ドライ戦争」は1998年の流行語部門 銀賞を受賞しています。
詳しくはこちら「ドライ戦争」の項目をご覧下さい。
受賞者は当時キリンビール社長の本山英世さん。
パスポートサイズ ソニーが1989年に発売した、ビデオカメラ「ハンディカム CCD-TR55」のキャッチコピー。パスポート(旧サイズ)で隠れてしまう当時としては画期的な小型化と、わかりやすいネーミングがうけ大ヒット商品に。
当時ビデオの規格でシェアを争っていたVHS-Cを一気に追い抜きました(ソニーは8ミリビデオ)。
「パスポートプリーズ」「ディスイズパスポートサイズ!」と外国人に話しかける、浅野温子さんが主演するテレビCMも話題に。
受賞者は当時ソニー取締役の出井伸之さんと女優の浅野温子さんの両名。
大衆賞
愛される理由 元女優の二谷友里恵さんが書いたエッセイ「愛される理由」がベストセラーに。1987年(昭和62年)に歌手の郷ひろみさんと結婚し、その結婚生活を綴った本。
ヒットを受けて雑誌やテレビなどでは「○○が愛される理由」というような表現が使われるようになりました。
なおこの後1998年(平成10年)に離婚しています。
受賞者は二谷友里恵さん。
1990 特別部門
人語一体/語録賞
昭和生まれの明治男 「マサカリ投法」と呼ばれる投球フォームで知られるロッテオリオンズ(現:千葉ロッテマリーンズ)の投手・村田兆治さんの事をご婦人の淑子さんが表現した「昭和生まれの明治男」。
昭和生まれながら、明治生まれの頑固さや強さを持っているという意味です。
1982年に肘を故障し手術や過酷なリハビリを行い、1984年の復帰後も活躍を続け、この年1990年に引退。その野球に賭ける執念や力強さを言葉にしています。
受賞者は村田兆治・淑子夫妻。
年間多発語句賞
「気象観測史上(はじめての…)」 この年猛暑や空梅雨、大型台風の発生などの異常気象が数多く発生し、「気象観測史上初めての○○」のように紹介される場面が多々見れらた事から。
地球の温暖化やオゾン層破壊など環境問題が取り上げられるきっかけとも言われます。
受賞者はテレビ各局のお天気キャスター。
特別賞
スペシャルゲスト 後に湾岸戦争に発展するイラクのクウェート進攻が8月2日に起こり、イラク国内にいる外国人が拘束されました。
当時のフセイン大統領はそれらの人々を「スペシャルゲスト」と表現。強制的にいわば「人質」をとったにも関わらずこの発言をした事で世界的な批判を浴びます。
これを元ネタとして無理矢理何かを要求するする際に「スペシャルゲスト」という冗談が使われる事態に。
受賞者は当時在日イラク大使のラシド・M・S・アルリファイさん。
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