神奈川県の横浜市で誕生した人気ラーメン店「丿貫」(へちかん)についての解説です。
煮干しラーメンで知られる丿貫ですが、日替わりのメニューがあったり、昼と夜で営業形態が異なっていたりと、一般的によくあるラーメン屋さんとは異なる点があるため、事前に知っておくことでより丿貫を楽しめる情報をまとめました。
かなり文章が長くなってしまったため、初めてお店に行く際に覚えておきたい丿貫の特徴を凝縮してお伝えすると以下の通りです。
- 「丿貫」の読み方は「へちかん」
- 煮干しラーメンが原点であり基本メニューで、「肉増し・うずら卵」で注文するのが個人的におすすめ
- 「セメント系」と呼ばれる煮干し色でドロドロの濃厚スープ、麺は「パツンパツン」とも表現される低加水で硬め
- チャーシューは「レアチャーシュー」と呼ばれる低温調理されたピンク色の柔らかい肉
- 同じ「煮干しラーメン」でも店舗によって味が異なっていたり、煮干しの産地を変更(ツイッターやメニュー表に記載)したりと違った味を楽しめる
- 全国から取り寄せた素材の味をそのままスープにした日替わりメニューがあり、早めに行かないと売り切れてしまう事が多い
- 日替わりメニューは各店舗で異なり、それぞれの公式ツイッターで確認できる
- ラーメンだけでなく「和え玉」もおすすめ(下の項目で解説)、よくかき混ぜてからそのまま食べても、スープにつけて食べてもOK
- 麺の量をハーフに出来るので、いろいろなメニューを楽しみたい時にはハーフで注文するのがいい
- 営業時間や定休日は店舗によって違ったり臨時休業などもあるため、ツイッターを確認してから来店が良い
- 昼と夜で営業形態が代わり、昼はラーメン店、夜は日本酒のお店となりお酒の注文が必須になることも
- 夜営業はおつまみ類が充実し、ラーメンは昼とは違い肉が乗らないなど、お酒にあった仕様になったり和え玉が注文できないなどの違いがあるため、本格的にラーメンを楽しみたい場合は昼に行くのがベスト
丿貫はアクが出るまで煮干しを煮込んでつくられるため「灰汁中華 丿貫」として、2012年に神奈川県横浜市の中区にあるスナックなどで間借りしながら営業を続けているとその味が評判となり、最後の間借り場所である野毛を離れ、2016年2月に現在の本店となっている福富町に店舗を構えることに。
今では横浜市内に数店舗と千葉、大阪、鳥取にも出店しています。
2019年現在営業しているのは以下の6店舗です。
全店舗に実際訪問して食べてきましたので、リンクから各店舗のレポートがご覧いただけます。
店舗名 | アクセス、公式Twitter | グルメサイト |
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〒231-0043 |
食べログ ぐるなび Retty ホットペッパー 福富町丿貫の実食レポートへ |
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〒232-0056 |
食べログ Retty 弘明寺丿貫の実食レポートへ |
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〒220-0011 |
食べログ Retty 横濱丿貫の実食レポートへ |
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〒292-0826 |
食べログ Retty 木更津丿貫の実食レポートへ |
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〒577-0842 |
食べログ Retty 布施丿貫の実食レポートへ |
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〒683-0812 |
食べログ ぐるなび Retty 米子さっかどうの実食レポートへ |
以前は「丿貫 弘明寺店」「分家 丿貫 in 布施」のように、呼び方や表記が統一されていませんでいたが、横濱丿貫のオープンにあたり公式ツイッターからアナウンスがあり、上記のような店名に統一されました。
それでは実際にどんなラーメンなのか、まずは看板メニューである煮干しラーメン、日替わりラーメン、和え玉の食べ方、ネーミングセンスも光るメニュー、昼はラーメン専門で夜は日本酒のお店になるので、そのあたりの違いも順に見ていきましょう。
煮干しラーメン
丿貫の名を広めた煮干蕎麦の特徴は、煮干しの美味しさをそのままスープのした「セメント」とも表現される色と煮干しでドロドロの超濃厚スープ。
麺は「パツンパツン」と言われるほどの反発力のある低加水麺。
そして低温調理した柔らかくピンク色のレアチャーシューです。
上の写真は境港産の煮干しを使っていますが、日によっては違う産地であったり全く違う煮干蕎麦が作られることもあります。
こちらは山陰産鮮魚を合わせた煮干しそば。
丿貫のベーシックな煮干蕎麦に比べスープはそれほど濁っておらず、味もシンプルでした。
肉増し(レアチャーシューを追加)、うずらの味玉も注文しました。
煮干蕎麦にはこの2つを追加するのがおすすめです。
日替わりラーメン
丿貫の大きな魅力の1つとも言えるのが、日替わりで提供されるラーメンで、各産地から送られてきた具材がそのままスープに変わります。
他のラーメン屋さんとかだと、例えば「オマール海老を生かした味噌ラーメン」のように、香りや風味付けに使ったり具材としてトッピングするパターンが多いですが、丿貫の場合は正に「そのまま」の味がスープになります。
そのため好みが分かれることもあり、人によってはアタリハズレがあるかもしれませんが、食に好き嫌いない人にとっては毎回ツイッターで発表されるメニューを見るたびに食べに行きたくなっちゃいそうです。
上の写真は冷やしラーメン。夏季になると登場します。
また、美味しそうだったりどんなラーメンなんだろうとか、ちょっと面白い名前だったりとネーミングセンスも光ります。
過去のメニューからピックアップすると「梅雨鰯蕎麦」「青唐辛子のカライーカ」「淡麗豚煮干」「ペペロンニーボ」「ニボプレッソ」「ニボペーニョ」「甘海老と浅蜊の特濃」など。
各店舗で仕入れる具材が異なり、同日であっても全く違うメニューが出されていますので、Twitterを確認のうえ来店下さい。
弘明寺では炙り肉めしが出されるときもあります。
このお肉とご飯が合わない訳ありませんね。
和え玉
ラーメン以外での丿貫の看板メニューとも言えるのが「和え玉」(あえだま)です。
麺に出汁と油、そしてシンプルな具材を上にのせたのが和え玉で、丿貫では「汁無しそば」と表現されています。
混ぜて食べたりラーメンの中に入れたりと食べ方は自由(お店によって若干食べ方は異なります)で、イメージでいうと味付けされた油と具材を混ぜて食べる「油そば」や「まぜそば」に近いです。
博多ラーメンのお店でよくみられる、麺の「おかわり」ともいえる「替え玉」(かえだま)はよく知られていますが、和え玉は2019年時点だとごく一部のラーメン屋さんで見られるのみで、まだあまり知名度はありませんので、初めて訪問される方はお店の方に質問されている光景をよく見かけます。
丿貫での和え玉の食べ方は、弘明寺店で紹介されていた「和え玉三段活用」がおすすめ。
- まずはよく混ぜてそのまま食すべし
- 次に残していたスープでつけ麺のように食すべし
- 最後に残ったスープにすべて投入し、味変して食すべし
ラーメンと同じく店舗によって異なる和え玉があり、日替わりでも提供されています。
なお博多ラーメンに関連して、以下の記事では「バリカタ」や「湯気通し」などの麺の硬さに応じた呼び方を一覧にしていますのでよかったらご覧下さい。
昼と夜の営業形態の違いとメニューについて
丿貫では昼営業ではラーメン専門店、夜営業では日本酒を楽しむ場所と、営業形態やコンセプトが異なります。
昼はバラエティー豊かな個性的なラーメンが揃い、夜は福富町・弘明寺・横濱ではお酒の注文が必須となり、肉料理を中心としたおつまみメニューになります。
夜に提供されるラーメンはお酒を飲んだ後に締めでさらっと食べられるようにしてあるためか、シンプルになっており和え玉も注文できません。
がっつりとラーメンを食べたいときは昼に行くといいでしょう。
夜は仕事帰りに一杯やりたい時や、2軒目で飲み直しで最後にラーメンで〆るのにおすすめです。
昼の時間帯だとTwitterで発表され、さらに下の写真のように店舗でもメニュー表が貼り出されています。
夜のメニューはTwitterで発表される時とそうでない場合があって、お店にあるメニュー表も日本酒を中心としたお酒のみ書かれていて、ラーメンについては日によってメニューが変わるので店員さんに聞くなり貼り出されていることもあります。
木更津については2019年10月時点では昼営業のみ、布施丿貫については調査中、米子のさっかどうについては夜も本格的なラーメンが提供されることもあります。
行列について
気になる行列と待ち時間ですが、お昼の時間帯はほぼどの店舗も待つことになります。
特に本店である福富町と弘明寺、布施についてはピーク時は20分から1時間待ちくらいを覚悟する必要がありそうですが、いずれの店舗も平日のオープン直後とクローズ間際(閉店時間でなくラストオーダー時間前に行く必要あり)だと比較的待ち時間は少ないです。
それ以外の店舗ではこれよりも待ち時間はグッと少なくなりますが、知名度が上がっていますので今後はさらに長くなるかもしれません。
また、福富町と弘明寺は人通りのある道に面していますので、順番待ちの場所も指定があります。
なお予約については福富町で聞いたところ昼の予約は不可で、夜については15時半から受け付けていますが19時までの予約のみで、それ以降の時間については予約不可との事。
19時以降でもウェイトリストという名目で仮予約のような事が出来るようですが、席が確保してあるわけでは無いそうです。
また店舗によって対応が異なり、電話番号を公開していない場合もあるので実質予約はないものとして考えた方がよさそうです。