ネットで使われている「伝書鳩」は、誰かの発言や行動を伝えに来る人を指す用語です。

主にVTuberやYouTuber、ニコニコ生放送(ニコ生)やツイキャスなどのライブ配信サイトやTwitterなどのSNSで使われており、それらのサイトで活動する特定の人の動きを、伝えたい別の活動者の放送でコメントしたり、SNSやDM(ダイレクトメッセージ)などで伝える人またはその行為を「伝書鳩」と呼びます。

単に「」という場合もありますが、ほぼ同じ意味で使われます。

名前の由来になっているのは、今のような伝達手段が無い昔の時代に、文字が書かれた紙を筒に入れそれを鳥の鳩(ハト)に身につけて目的の場所に運ぶ「伝書鳩」です。

離れた場所から自分の巣に帰る事ができる鳩の「帰巣本能」を利用して、遠くから鳩を元いた場所へ向けて飛ばす事でその場所にいる人達に伝達する仕組み。

伝書鳩になるのはリスナー・視聴者の側であることが多く、対象となるのはネットで活動するある程度知名度のある有名人などで、伝書鳩は対象者の動きを見て『〇〇がお前を批判してたぞ』とか『嫌いって言ってた』のような内容を逐一伝えます。

以下のような伝書鳩の使い方や表現があります。

  • 伝書鳩すんな
  • 私は伝書鳩じゃないです
  • 伝書鳩しなくていいからね
  • 今日も伝書鳩でもやるか
  • 伝書鳩が言ってた

多くの場合は揉め事を起こしたり人間関係を悪くするのを目的としているパターンも多く見られるため、どちらかというと伝書鳩は嫌われる傾向が見られますが、『〇〇が褒めてたよ』といったようにお互いにいい関係になるような内容が伝書鳩される事も時々あります。

リアタイや数時間以内の出来事を伝える場合を伝書鳩とし、数日前の出来事であったり過去の内容を伝える行為はあまり伝書鳩とはいいません。

2ch(現・5ch)などのネット掲示板やニコ生などでかなり以前からほんの一部の人が使っているのみでしたが、ネットの普及やネットで活動する人たちの増加とともに少しずつ使われだし、2020年頃からは頻繁に見かけるようになりました。

2022年時点だと一般的にはまだまだ知られていない言葉ですが、YouTubeやニコ生やTwitterなどの利用者を中心に少しつづ知名度を上げており、今後よく知られるようになる可能性もあります。

なおビジネスの世界でも伝書鳩というワードが使われており、意味合いとしては似ていて、他の会社の人や社内の人に言われた事を、そのまま上司や周りに伝えるだけの人を指します。