1987年(昭和62年)の「日本新語・流行語大賞」一覧と解説

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1987年(昭和62年)の日本新語・流行語大賞です。1984年から開始され、この年は第4回に当たります。

前年・翌年と、すべての年の流行語についてはこちらをご覧ください。

気になったのは新語部門の表現賞「朝シャン」。
今ではもう当たり前過ぎてわざわざこの用語を使わないくらいですが、それまで朝髪を洗う習慣がなかったのが驚きです。

そして民営化によりこの年に誕生したJRは新語部門の銀賞です。
この年より前は「日本国有鉄道」略して国鉄(こくてつ)という政府100%出資の公社でした。


公式サイトの発表はこちら「1987年の日本新語・流行語大賞」です。

1987 新語部門
新語部門 金賞
マルサ マルサは国税査察官の事で、査察の「さ」を○マークで囲んで読むと「マルサ」になる事から。
この年(1987年)に公開された女性査察官を主人公にした映画「マルサの女」が大ヒットし、マルサが注目される事に。
受賞者は「マルサの女」脚本・監督の伊丹十三さん、主演女優の宮本信子さん。
新語部門 銀賞
JR 日本国有鉄道(国鉄)が4月1日に分割民営化し、JRグループに生まれ変わり、「JR」の言葉が大きく報道。
国鉄は1872年(明治5年)に新橋駅 – 横浜駅間で正式開業から115年の歴史がありました。
JRは「Japan Railways」(ジャパン レイルウェイズ)の略で、旧国鉄は「Japanese National Railways」(ジャパニーズ ナショナル レイルウェイズ)です。
なお分割によってそれぞれ次の12の法人に承継されました。
「北海道旅客鉄道」「東日本旅客鉄道」「東海旅客鉄道」「西日本旅客鉄道」「四国旅客鉄道」「九州旅客鉄道」「日本貨物鉄道」「鉄道通信」「鉄道情報システム」「新幹線鉄道保有機構」「財団法人 鉄道総合技術研究所」「日本国有鉄道清算事業団」。
受賞者は日本国有鉄道清算事業団理事長の杉浦喬也さん。
新語部門 銅賞
第二電電 1985年の通信自由化により電電公社がNTTとなり、新会社が次々と参入してきます。
1984年6月に設立した「第二電電」は他の参入企業の多くがカタカナや英語の名称の中、独特のネーミングと1987年に開始した「0077市外電話」が注目されました。
なお、auで知られる現在のKDDI株式会社は第二電電が前身になっています。
受賞者は第二電電の当時社長 森山信吾さん。
新語部門 表現賞
サラダ記念日 俵万智さんのデビュー歌集「サラダ記念日」が280万部のベストセラーに。歌集としては異例のヒットで、短歌ファンの獲得にも貢献したと言えます。
タイトルにも使われた歌『「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日』はあまりにも有名なフレーズに。
大学卒業後に国語教師として働きながら発表した「野球ゲーム」が1985年の第31回角川短歌賞次席になり、翌年の第31回では
「八月の朝」が角川短歌賞受賞になるなど、サラダ記念日の発売前から超大型新人として注目されていました。
受賞者はご本人の俵万智さん。
朝シャン(モーニング・シャンプー) 資生堂の「モーニングフレッシュ」という斉藤由貴さんが出演していたシャンプーのテレビCMで使われたフレーズ「朝のシャンプー」を略して「朝シャン」。
それまであまりなかった、朝にシャンプーするという習慣が女子高校生を中心に広まり、その後もこの習慣は収束することなく続きます。
髪を洗える広い洗面台もこの頃から増え始めました。
受賞者は資生堂商事(現:エフティ資生堂)のセールス商品事業部。
ノリサメ 乗ってるかと思いきや冷めてる、本心が読みにくくわかりづらい、扱いにくい事を指します。またそういった人達を「ノリサメ族」と呼びます。
前夜の飲み会では盛り上がっていて心開いたようにも見えたものの、翌日には昨日の事がなかったかのように冷めているなどの行動が該当します。
乗るときはノって、すぐに冷静にな態度で番組を進行するなどノリサメを演じられるタレントとしての評価により、受賞者は高田純次さんと兵藤ゆきさんの両名。
1987 流行語部門
流行語部門 金賞
懲りない○○ 安部譲二さんの著書「塀の中の懲りない面々」がベストセラーとなり、その影響からか汚職や詐欺など何かあきれるような事件が起きると『懲りない○○』のように新聞やテレビで報道されるパターンが目立った事から。
刑務所を舞台にした懲役囚の日常を描いた自伝的な小説で。「塀の中」は刑務所の事で、「懲りない面々」は罪を犯したのに反省していなかったり再び刑務所に戻ってくる人達の事を指しています。
受賞者はご本人の安部譲二さん。
流行語部門 銀賞
「なんぎやなぁ」 この年阪神タイガースの戦績が振るわず、その件に関して日本テレビ系列で放送されていた「ズームイン!!朝!」にで辛坊治郎さんと森たけしさんが『なんぎやなぁ』と心境を表現したところ、批判でもなく罵りでもないこの悔しい気持ちが伝わってくるような台詞が話題に。
毎回負けた試合の度に「なんぎやなぁ」と言うのが恒例になり、視聴者プレゼント用に「なんぎやなぁステッカー」も作られました。
受賞者は辛坊治郎さんと森たけしさんの両名。
流行語部門 銅賞
ゴクミ 当時女優・タレントの後藤久美子さんの愛称。「ごとうくみこ」の略。
語呂がよかったこともあり、テレビや雑誌などのマスコミで頻繁に使われる事に。
流行語公式サイトでは『元祖“国民的美少女”と言われたゴクミ人気が大フィーバー。人気ドラマ「伊達政宗」に出演したとはいえ、演技は今一のゴクミがなぜ人気沸騰したかは謎』と紹介されています。
受賞者はご本人の後藤久美子さん。
流行語部門 大衆賞
マンガ日本経済入門 1986年11月に出版の、経済をわかりやすく解説した石ノ森章太郎さんの経済学習漫画「マンガ日本経済入門」がヒット。
大人向けの学習漫画という今までにないジャンルを開拓し、他分野でも大人向け漫画が発売されるなど、その後の出版にも影響を与えました。
実は第1巻だけご本人は書いておらず、ヒットを受けて2巻から書き始めたようです。
同年には小学館漫画賞、翌年には第17回日本漫画家協会賞大賞を受賞。
受賞者は石ノ森章太郎さん。
ワンフィンガー ツーフィンガー サントリーのウイスキー「サントリーオールド」のテレビCMで、村松友視さんの台詞「ワンフィンガーでやるもよし。ツーフィンガーでやるもよし。」から。
指一本分・二本分の量をグラスに注ぐことから由来しています。それぞれシングル(約30ml)・ダブル(約60ml)と同じ意味です。
この表現が受け、しばらく実際のバーでの注文でもこの言い方で行われていました。
受賞者はCMに出演してらっしゃったご本人で作家の村松友視さん。
サンキューセット 日本マクドナルドが「ハンバーガー」「ポテト」「飲料」の3点を組み合わせて安くなる、390円のセット「サンキューセット」(39をサンキューと読ませる)を売り出したところヒット商品に。
これに追随しロッテリアが380円の「サンパチトリオ」を発売、翌年1988年にはその対抗として日本マクドナルドがさらに値下げした360円で「サブロクセット」を販売しました。
受賞者は当時日本マクドナルド(株)社長の藤田田さん。
1987 特別賞部門
特別賞部門 特別功労賞
“国際”国家 1806日に及ぶ長期政権だった中曽根首相の発言やスローガンから。国内では日本専売公社(現:JT)、日本国有鉄道(現:JR)、日本電信電話公社(現:NTT)の民営化などの改革に取り組み、外向けには「国際国家・日本」を合言葉に様々な場所で口にしていた言葉です。
受賞者はご本人の中曽根康弘さん。
特別賞部門 特別賞
鉄人 プロ野球の広島カープで日本の連続出場試合の当時世界新記録を達成した衣笠祥雄さんの愛称「鉄人」から。1974年までの背番号28から漫画の「鉄人28号」から取って『鉄人』に由来しています。
なお受賞時は2191試合の連続記録更新中で、最終的には1987年10月22日に2215試合をマーク。
「○○の鉄人」のようなフレーズがテレビや雑誌などでも使われる現象も起きました。
受賞者はご本人の衣笠祥雄さん。
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