1988年(昭和63年)の「日本新語・流行語大賞」一覧と解説

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1988年(昭和63年)の日本新語・流行語大賞です。
1984年から開始され、この年は第5回に当たります。

前年・翌年と、すべての年の流行語についてはこちらをご覧ください。

気になった言葉をピックアップしてみると・・・。
流行語部門大衆賞の「しょうゆ顔・ソース顔」。
しばらく聞かない用語でしたが、最近また使われだしてるので少し前の世代は知らなくても、一周回って今の若い世代では通じるかもしれません。

それと特別賞部門特別功労賞の「一村一品/ヒューマン・ブランド」。
この用語は知りませんでしたが、現在では村単位ではないものの全国各地の自治体が特産品のブランド化や、生産者情報を野菜のラベルにするなどの動きが見られますが、当時としてはかなり斬新なアイデアだったのではないでしょうか。


公式サイトの発表はこちら「1988年の日本新語・流行語大賞」です。

1988 新語部門
新語部門 金賞
ペレストロイカ 当時ソビエト連邦の共産党書記長ゴルバチョフさんが提唱し行った政治改革運動のこと。
長らく続いていた一党独裁制で硬直した政府の立て直しや国民の不満が高まっていた背景から、グラスノスチ(情報公開)などを柱に軍縮、他国介入停止や一部市場経済の導入など民主的な方向への舵きりは世界中から好感をもった評価を受けました。
受賞者は当時駐日ソビエト連邦大使のソロビエフ・ニコラエビッチさん。
新語部門 銀賞
ハナモク 現在でも時々耳にする「ハナキン」(花の金曜日の略)は、週休2日制で明日休みの状況である金曜日の仕事上がりに、飲んだり遊んだりすること。
これに対し「ハナモク」(花の木曜日)は、金曜からは海外旅行やスキーなどのレジャーに使い、木曜を遊びに使うのが最適という認識の広まり。
受賞者は、上記のような状況を読み取りいち早く定休日を木曜から火曜に変更した、銀座に本店のあるデパートの(株)松屋。
新語部門 銅賞
トマト銀行 岡山県岡山市に本店のある銀行で相互銀行だった「山陽相互銀行」から普通銀行への移行とともにこの名称に変更。
当時としてはこれまでの銀行の名前にない斬新なネーミングにより注目、またトマトジュース等のトマト加工商品を扱うカゴメが講座を開設するなどでも話題に。
名称の由来は公式サイトによると「トマトのもつみずみずしく、新鮮で、明るく健康的なイメージが、当社の目指すべき企業イメージとピッタリ合うということで発案」とのこと。
受賞者は当時の山陽相互銀行社長・吉田憲治さん
新語部門 表現賞
遠赤(効果) 遠赤は「遠赤外線」の略で、健康管理や生鮮食品の鮮度を保つ効果があるとされる遠赤が、当時の健康ブームに乗り様々な商品で扱われるようになりました。
受賞者は遠赤外線国際研究会。
カイワレ族 カイワレはプラスチックケースに入ったウレタンの苗床で、土でもなく水で生きるその管理されながら育てられる姿が、まるで中学生や高校生の姿のようだとの表現した用語。
医師で執筆家の村崎芙蓉子さんによる著書「カイワレ族の偏差値日記」の中に書かれていたこのような指摘が大きな反響を呼び、呼NHKの土曜ドラマ「カイワレ族の戦い」としてテレビドラマ化もされました。
受賞者は村崎芙蓉子さん。
1988 流行語部門
流行語部門 金賞
「今宵はここまでに(いたしとうござりまする)」 1988年1月10日から12月18日まで放送されたNHKの大河ドラマ「武田信玄」で、最終回と一部の回を除き毎回物語の最後に「今宵はここまでに致しとうござりまする」というナレーションで締めくくられ、これがネタとなり会議や集会や飲み会などでも終了の台詞として使われるなど話題に。
受賞者は自らも出演しナレーションも行っている大井夫人役の若尾文子さん。
流行語部門 銀賞
ドライ戦争 現在でも人気のビール「アサヒスーパードライ」のヒットに対し、キリンビールやサッポロビール、サントリーなどの大手ビールメーカー各社が「ドライビール」を発表するなどのシェア争いの事。
テレビCMやラジオに雑誌にと「ドライ」の文字が並んだり、パッケージ・缶のデザインや名称まで類似の商品が出回るなどの事態に。まさに戦争のようだった事から。
ドライ戦争の勝者はアサヒで、この年のビール市場占有率でサッポロを抜き2位となり、後に首位となる足がかりとも言える勝利でした。
受賞者は当時アサヒビール社長の樋口廣太郎さん。
流行語部門 銅賞
シーマ(現象) 好景気に沸く日本経済でしたが、当時国産車には3ナンバーや高級車と呼ばれる自動車が非常に少なく、大きい車を求める人は外車を選ぶこととなり当時は外車ブームでした。そんな中、国産の3ナンバー高級車として日産から発売された「シーマ」が爆発的な人気に。
日本人の高級志向への意識変化を象徴する「シーマ現象」という言葉が使われました。
受賞者は当時日産自動車社長の久米豊さん。
流行語部門 大衆賞
アグネス論争 1987年に歌手でタレントのアグネス・チャンさんが出産、翌年2月にフジテレビ系列で当時放送していた「なるほど!ザ・ワールド」に子連れで収録スタジオに出勤したことをマスコミが取り上げます。
これに大物歌手の淡谷のり子さんがテレビでこの行為を否定発言、さらに作家の林真理子さんが週刊文春のコラムで批判し、アグネスさんはこれに「中央公論」で反論します。
その後も双方の否定派・肯定派を巻き込んで雑誌やテレビで議論を交わすなど国民的関心になりました。
結婚したら仕事を辞めるのが当たり前の時代背景や、男女雇用機会均等法が施行され女性の自立が注目されていた中での「時代」を感じさせる出来事だったといえます。
受賞者は当事者のアグネス・チャンさん。
5時から(男) 栄養ドリンク「グロンサン」(当時:中外製薬)のテレビCMで、高田純次さん演じる中年サラリーマンが午後5時までの仕事で疲れきっているものの、午後5時に仕事を終えグロンサンを飲んで元気になって遊びに行くというストーリーがサラリーマンに受けました。
商品は売り上げを伸ばし、仕事よりも遊びが中心の人達のことを「5時から男」と表現するようになりました。
なお、同商品のこの年のキャッチコピーは「5時まで男も、5時から男も、グロンサン」、翌年1989年からは「5時から男のグロンサン」になっています。
受賞者はタレントの高田純次さん。
しょうゆ顔・ソース顔 切れ長で一重・奥二重をした和風の薄い顔立ちを「しょうゆ顔」、彫りが深く目鼻がくっきりしている洋風の濃い顔立ちを「ソース顔」と、男性の顔を分類する遊びが若い女性の間で流行。
「マヨネーズ顔」「ケチャップ顔」「みそ顔」などの分類もありました。
受賞者はしょうゆ顔の代表として東山紀之さん、ソース顔の代表として錦織一清さんの両名。
1988 特別賞部門
特別賞部門 特別功労賞
一村一品/ヒューマン・ブランド 一村一品運動は当時大分県知事の平松守彦さんが提唱し、1980年から大分県の全市町村で開始された地域振興運動で、県内各市町村がそれぞれに何か特産品を育て上げて地域を活性化させるのが目的。1982年には「一村一品のすすめ 」を出版しています。
ヒューマンブランドは顔が見える生産者とすることで、生産者自体をブランドにする試み。
これが日本全国の自治体でも導入する事例が見られるなど広がりを見せることになりました。なお、現在では東南アジアでも導入の動きが見られます。
受賞者はご本人の平松守彦さん。
特別賞部門 人語一体傑作賞
「ユンケルンバ ガンバルンバ」 佐藤製薬が発売している栄養ドリンク「ユンケル黄帝液」のテレビCMでタモリさんが言うセリフ。
意味合い的には「ユンケルを飲んで頑張ろう」という内容になると思われますが、言葉の響きとタモリさんの個性と表現が合わさって独特な世界観が受け「人語一体傑作賞」を受賞。
CM出演のきっかけは、2014年までフジテレビ系列放送されていた「笑っていいとも!」の放送終了後のフリートークでタモリさんが「ユンケルを飲んだら風邪が治った」と発言したところ佐藤製薬からユンケルが大量に送られてきたことから。
受賞者はタレントのタモリこと森田一義さん。
特別賞部門 報道傑作賞
「ふつうは“汚職”と申します」 この年、戦後最大の企業犯罪と言われた贈収賄事件、リクルート事件が発覚。
関係者は一様に「知らない」「秘書が」などのようにしらばっくれる中、産経新聞の見出しに登場したのがこの『ふつうは“汚職”と申します』の文字。このズバっと言い切ったフレーズが絶賛されました。
受賞者は産経新聞の山本泰夫さん、藤田実さんの両氏。
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