「更科そば」とは?味や特徴の解説と発祥のお店紹介

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更科そば

「更科蕎麦」はソバの実のより内部にある、胚乳の中心部の粉を使った蕎麦の名称で、写真のような品のある白い麺が特徴です。
「御膳蕎麦」または「御前蕎麦」(ごぜんそば)とも呼ばれます。

ソバの実は、外皮に近いほど色が濃くてそばの香りが強く、たんぱく質(グルテン)を多く含みます。
反対に中に近いほど色が白くそばの香りは弱くなり、グルテンは少なく、代わりにでんぷんを多く含みます。

そのため実の中心部を使用して作る更科蕎麦の味は、一般的に知られる「そばの香り」は少ないものの、ほんのりした甘みと特有の風味があります。

かなり大ざっぱな例えになりますが、玄米と白米の関係をイメージして頂けるとわかりやすいかもしれません。

外皮を取り除き、製粉の際に最初に挽き出されるのが、種皮(甘皮)のある外側でなく内側の中芯部分です。
この最初にとれた粉を「一番粉」または「更科粉」「御膳粉」と呼び、次に挽き出される中層部を「二番粉」、その次が外層の「三番粉」、甘皮部分を多く含む「末粉」「表層粉」または「四番粉」と続きます。

ちなみに甘皮からすべてを丸ごと挽いた粉を「挽きぐるみ」または「全層粉」といいます。

一番粉は白く、数字順に色が濃く香りが強くなりますが、一番粉を使ったものが更科蕎麦です。
この粉は「つなぎ」となるたんぱく質が少なくでんぷんが多いため、打つ際は小麦粉を加えるか湯練りする必要があります。

なお、厳密にいうと「一番粉」と「更科粉」は違うのですが、同じものとして扱われる事が多いようです。

下記で詳しく書きますが、更科そばの発祥は1789年に清右衛門が創業した「信州更科蕎麦処 布屋太兵衛」です。
しかし、清右衛門が「一番粉を使った白い蕎麦」を開発したのかというとそうではなく、それ以前から存在しており庶民にも高級品として食べられていました。

ただ、この「一番粉を使った白い蕎麦」には特に決まった名称はなく、そこに白い蕎麦を提供していた有名店で、商業的にも成功した「更科」がその代名詞として使われるようになり、次第に「白い蕎麦 = 更科蕎麦」が定着していったようです。

現在3店舗ある「発祥」のお店

更科蕎麦の発祥は第11代将軍・徳川家斉の治世だった江戸時代の1789年、信州(長野県)の保科村で太物の行商をしていた清右衛門(せいえもん)が、名を改め太兵衛とし開店した「信州更科蕎麦処 布屋太兵衛」です。
逗留先である江戸麻布上屋敷の保科家領主、保科兵部少輔(ほしなひょうぶのしょう、後に保科正賢)にそば打ちの才能を見出され、そば屋への転向を勧められたのがきっかけとなったようです。

「更科」の由来になったのは信州の地名で蕎麦の産地である『更級』(さらしな)と、保科家の『科』を組み合わせたものです。

お店は有名になり繁盛しますが七代目松之助の時に、昭和恐慌の影響で「信州更科蕎麦処 布屋太兵衛」は1941年(昭和16年)に廃業になります。

戦後になると松之助から許諾を受けたとする馬場繁太郎が「永坂更科本店」を掲げて開店。
この名称をめぐり裁判となりますが、松之助が渡した承諾書が出てきたため、「永坂更科本店」を「麻布永坂 更科本店」とすることなどを条件に和解に。

その後昭和24年(1949年)には七代目松之助と麻布十番商店街の会長小林勇さんにより堀井家や職人が集められ「永坂更科 布屋太兵衛」を創業します。
「堀井」の姓は、明治8年の苗字必称義務令により屋号として使用していた「布屋」から変更したものです。

そして昭和59年(1984年)には八代目の堀井良造が独立し「総本家 更科堀井」を開業。

麻布十番は更科老舗の3店舗が並ぶ地域になっています。


上記のとおり、「発祥」といえるのは現在3店舗で、いずれのお店も麻布十番駅から徒歩圏内にあります。

以下では各店舗と蕎麦の写真をご紹介します。
麻布十番以外の場所にも支店がありますので、詳しくは公式サイトをご覧ください。

麻布永坂 更科本店
更科廃業時の店主だった七代目の堀井松之助から屋号使用の許諾を受けて、馬場繁太郎が創業したお店。

麻布永坂 更科本店
ラフィネ麻布十番というビルの1階。入り口には予約の名前が書かれた木札が掛けれてます。店舗東側には首都高速都心環状線があります。
御膳そば(麻布永坂 更科本店)
「御膳そば」972円。 他と比べのど越しがよく滑らかな舌触りでした。
アクセス
都営大江戸線の麻布十番駅6番出口から徒歩3分。
または東京メトロ南北線の麻布十番駅5A出口から徒歩3分です。

住所 東京都港区麻布十番1-2-7
営業時間 11:00~22:00(ラストオーダー21:30)
定休日 月曜日
電話番号 03-3584-9410
公式サイト http://www.sarashina-honten.com/
食べログ http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13015155/
地図 Googleマップへ
永坂更科 布屋太兵衛
一旦廃業していた更科を、七代目の堀井松之助と麻布十番商店街の会長小林勇さんの呼びかけで再び集まった堀井家や職人により再興されたお店。その後八代目の堀井良造が独立したため、会社組織としては本家。

永坂更科 布屋太兵衛
麻布十番商店街の中心地とも言える場所にあります。
御前そば(永坂更科 布屋太兵衛)
「御前そば」886円。 麺は細いですがコシがあり少しザラっとした食感、繊細な風味。甘いつゆと辛いつゆの2つを楽しめます。個人的には一番好みでした。
アクセス
東京メトロ南北線麻布十番駅からほんの少し傾斜した道を西へ。
または都営大江戸線の麻布十番駅からは南へ。
いずれも徒歩2分くらいです。

住所 東京都港区麻布十番1-8-7
営業時間 11:00~21:30(ラストオーダー21:00)
定休日 年中無休
電話番号 03-3585-1676
公式サイト http://www.nagasakasarasina.co.jp/
食べログ http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13002810/
地図 Googleマップへ
総本家 更科堀井
八代目の堀井良造が、永坂更科 布屋太兵衛から独立して開いたお店。人的に更科系列の本家筋。

総本家 更科堀井
テレビや雑誌、マスコミに取り上げられる事が多いお店です。入り口にはショーケースがあります。
さらしなそば(総本家 更科堀井)
「さらしなそば」890円。 食感は2店舗の中間くらいでほんの少しザラっとしていますがのど越しはいいです。いつ来てもお客さんが多い印象。
アクセス
永坂更科 布屋太兵衛を西に300mほど進んだところにあります。

住所 東京都港区元麻布3-11-4
営業時間 11:30~20:30
定休日 年中無休
電話番号 03-3403-3401
公式サイト http://www.sarashina-horii.com/
食べログ http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13001226/
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