2022年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻について、数年前から起きていた侵攻までの動きや背景、侵攻の流れ、覚えておきたい用語をまとめました。

すべてを書こうとすると、とてつもない量になってしまうため、出来る限り簡潔に、かつ簡単にわかりやすく解説します。
やはり細かく見ると足りない部分あるかもしれませんが、わかりやすさを優先していますので、ここに書かれていない必須の情報等ありましたらぜひコメントいただければと思います。

「ロシア侵攻」「ロシア侵略」「ウクライナ危機」「ウクライナ戦争」「ロシア・ウクライナ戦争」など様々な言い方があり、2023年3月時点ですとまだ決まった名称が定まっていないため、いろいろな表記が混在してますがご了承下さい。

侵攻までの流れと背景

2013年12月、親ロシア派のヤヌコーヴィチ大統領がEUとの協定に署名を拒否、ロシアに接近すると反発が起きデモが激化、身の危険を感じたためキエフを離れると暫定政権が発足するも、2014年2月にロシアはこれをクーデターだとして軍事介入、クリミア半島を制圧します。

同年4月になるとロシアの支援を受けているドンバス地方(ドネツク州・ルガンスク州)の親ロシア派とウクライナ政府が武力衝突。
停戦に合意するミンスク議定書が交わされますが、2015年1月には停戦合意は消え去り再び戦闘状態になります。

同年2月、フランスとドイツの仲介でミンスク2にウクライナとロシアが署名。しかしドネツクとルガンスクをロシアの属国のような扱いにするなど、かなりロシア寄りの内容であった事もあり、2019年にウクライナ大統領に就任したゼレンスキーは親ロシア派からの攻撃で政府側に2人の死傷者が出たため2021年10月にドローンでの攻撃を行います。

ミンスク合意に航空戦力の使用が禁止されていたため政府側がこれを反故にした形になります。

2021年10月、ウクライナ国境付近にロシア軍を大量に配備、その数は増え続け同年12月には10万人以上とされます。

2022年1月、国際的な緊張がさらに高まるとロシアは何度も侵攻を否定。
翌月2月には軍事演習を終え帰還すると発表。ウクライナの隣国ベラルーシで軍事演習を行い、このときもウクライナへの侵攻を否定。

同月17日、アメリカから「ロシアがウクライナに侵攻する口実をでっちあげ、数日中に攻撃を開始する準備をしている」と発表。
ロシアは根拠がなくアメリカが緊張をあおっていると非難。

21日、ドンバス地方の「ドネツク人民共和国」および「ルガンスク人民共和国」をロシアが一方的に国家として承認。大統領令に署名。

24日、この地域の住民を保護するという理由でウクライナ各地への侵攻を開始。

※ウクライナ周辺への軍備増強はミンスク合意が破られるずっと以前である2019年頃から始まっており、それまでの間に侵攻の口実探しをしていた可能性も指摘されています。
また、ドローン攻撃前の2021年4月にもロシア軍をウクライナ国境付近に集めていますがこのときは撤収しています。

備考:ドネツクとルガンスクはロシア語読みで、ウクライナ語読みはドネツィクとルハーンシクです。
2022年3月時点の報道だと前者で呼ばれる事が多いためそれに合わせた文章にしています。

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ウクライナ戦争に関連する用語まとめ

テレビや雑誌やネットニュースでよく見聞きする用語をまとめて一覧にしました。
ここに書かれいている用語を覚えておけば概ね報道されている出来事の大半を理解できるかと思います・

あ行

用語 説明
RPGあーるぴーじー ソ連時代に開発されベトナム戦争などにも使用された対戦車兵器「RPG-7」のこと。
安価で簡単に扱えるため世界中の紛争地域で2022年時点でも使われている有名な武器、今回の件でも専門家などの解説で耳にすることがあります。
アメリカやNATOからは新型のより高性能な対戦車兵器・ジャベリンの提供も行われています。
アイアンドーム イスラエルの防空システムで、イスラム組織「ハマス」からのロケット弾1800発のうち、90%を迎撃して無効化したとされます。
ロシアからの砲撃を防ぐためゼレンスキー大統領がイスラエルの国会でオンライン演説した際は「アイアンドームは最高だ」とし、ウクライナを守ることができると発言しています。
アノニマス 英語圏の匿名掲示板「4chan」(日本でいう5ch、元2ちゃんねるのようなネット掲示板)で結成されたハッカー集団で、世界で何か問題ある出来事があるとサイバー攻撃をする事で知られています。
今回の侵攻も問題視しており、ロシア関連のサーバーを攻撃することを宣言。国営放送のチャンネルとハッキングするなどを行っています。
アメリカ 他の国が侵攻はされないと予想する中、アメリカは侵攻すると断言しており、その後もかなり高い精度の情報を発信しています。ウクライナへの武器提供やインテリジェンスからの情報提供、ロシアへの経済対策の主導、などウクライナ情勢にとって最も重要な国の1つ。
アメリカ・イギリスの深い介入がなければ、短期間でウクライナをロシアに制圧されていた可能性があると考えられます。
EUいーゆー 欧州連合(European Union)のことで、2022年3月時点でヨーロッパの27か国が加盟している政治・経済の連携や協力を目的とした連合。
2020年にイギリスが抜けましたが、ドイツやフランスやイタリアなどヨーロッパの主要国が加盟しています。
ロシアはNATO含めEUを「西側」として敵対視しており、ウクライナが西側に近づいている状況に反発し軍事侵攻の引き金になった一因と言われてます。
インフラ 使う場面により意味が異なりますが、戦争や災害などの場面では、水道・電気・ガス・道路・線路・公共施設などの生活を支える基盤のこと。
ロシア侵攻によりウクライナのインフラが破壊されており、市民生活への影響が懸念されています。
SAS イギリスの特殊空挺部隊、陸軍の特殊部隊の事。
ゼレンスキー大統領の警護をしているとされ、2022年3月時点で十数回の暗殺計画を阻止。
アメリカの海軍特殊部隊「ネイビーシールズ」と共に同氏がいつでもキエフからの救出出来るよう備えているとのこと。
LNG 液化天然ガス(Liquefied Natural Gas)のことで、ヨーロッパ、特にドイツはエネルギーをロシアからの天然ガスに依存しており、その影響で侵攻が開始された際の経済制裁に躊躇が見られましたが、依存度を軽減する方向に舵を切りはじめています。
SNS 利用者が文字や映像で交流出来るネットツール、ソーシャルネットワーキングサービス。
今回の戦争ではSNSが頻繁に使われているのも特徴で、ウクライナの戦況が市民から発信されたり、ゼレンスキー大統領のツイッターは世界に影響を与えています。
一方ロシアでは国内の情報統制を行い、海外のロシアへの反発や戦争反対の声を国民に見せないよう、世界主要のSNSであるツイッターやインスタグラム、フェイスブックなどの閲覧が出来ないよう制限を行っています。
NSA アメリカの国家安保障局(National Security Agency)の事。
1952年に結成されているものの存在自体を明かさなかったためかあまり知名度はないものの、今回の侵攻で一般にも広く存在が知られるように。
いわゆる「インテリジェンス」と呼ばれる組織で、暗号解読などの諜報活動を行います。
よく知られているCIA(中央情報局)が人間のスパイを使うのに対しNSAは電子機器を使った活動を行います。
NLAWエヌロウ イギリスとスウェーデン合同開発の携行式対戦車ミサイル。
侵攻前にイギリスから2000発が提供され、大活躍しているとの報道があります。
オデッサ ウクライナ最大の港湾都市。
南部の黒海に面しており、クリミア半島の西側に位置します。国内3番目の規模の都市で、侵攻前の人口は100万人以上。
ウクライナへの海からの支援を防ぐ目的もあり、2022年3月時点でロシア軍の攻撃が行われています。
オリガルヒ ロシアの新興財閥で、ソ連崩壊後に国営企業から民営化された大企業を受け継ぐなどして巨万の富を築いた人達で、政治的影響力があるとされます。
プーチンからはロシアの資源関連の仕事を与えられたり、政治・経済の主要ポストに置かれる代わりに、忠誠を誓わせています。
アメリカやEU各国の他、日本でもオリガルヒを対象とした経済制裁も課していますが、暗号資産(仮想通貨)などを使い制裁逃れの方法を探っているようです。

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か行

用語 説明
傀儡政権かいらいせいけん 名目上は独立している国とされるものの、事実上は特定の国のいいなりとなり管理・支配されている状態の政権を指します。
ロシアはウクライナを傀儡政権にする目的で侵攻したという分析が報道されています。
化学兵器 人間や動物に有害な毒ガスなどの化学物質を使った兵器。
呼吸障害を起こす「血液剤(シアン化物剤)」、神経伝達阻害を起こす「神経剤(サリン、ノビチョク等)」、呼吸器系障害を起こす「窒素剤(ホスゲン等)」、皮膚のただれを起こす「びらん剤(マスタードガス等)」などがあります。
2018年時点で締結国193か国の化学兵器禁止条約で使用が禁止されています。
核共有かくきょうゆう ウクライナへの軍事侵攻により、力による現状変更を行う国があること、話し合いではどうにもならない相手がいる事をリアルタイムで見せつけられた事で、非核三原則を掲げる日本でも、アメリカの核を日本国内にも置いて「核の傘」をより効果的にする議論が行われるようになりました。
ただ、発射はアメリカが決める事であり、自国で所有しないと意味がないとの声もあります。
英語でニュークリア・シェアリングといいます。
キーフ キエフがロシア語読みの発音で、キーフがウクライナ語の発音。
侵攻前からキエフで定着してしまっているため、すぐに変更とはいかないようですが、これからは「キーフ」に置き換わる可能性もあります。
キエフ ウクライナの首都。最も重要な地点で、2022年3月時点ではまだゼレンスキー大統領もここから指揮をとっているとされます。
戦力も集中しており、侵攻を防ぐべくロシアとウクライナの一進一退の攻防が続いています(2022年3月)。
義勇兵ぎゆうへい 正規軍でなく自発的に戦闘に参加する戦闘員を指し、今回の侵攻でも世界中からウクライナ側に義勇兵として志願する人、ロシア側に志願する人も報道されています。
キンジャール ロシアの戦闘機ミグ31などに搭載して発射する極超音速空対地ミサイルで、正式名は「Kh-47M2キンジャール」。
2022年3月にロシアがウクライナに使用したと発表しています。
マッハ5(6000km/h、音速の5倍)からそれ以上の速度で、長さは7.93m、直径0.925m、射程距離は2000km。
クレムリン ロシアの大統領府があるモスクワの一角。
意思決定がここで行われるため、日本で言う「永田町」のような言葉の使われ方をします。
経済制裁 国家の不法行為などがあった際に、1つまたは多数の国が連携して、輸出入を制限したり金銭的に不利になるよう制限を行う事。
今回の侵攻では直接の武力行使でロシアを攻撃出来ないため、経済的追い詰める作戦として使われています。
KGBけーじーびー ソ連の情報機関「ソ連国家保安委員会」のこと。
キャリアを積む前のプーチン大統領も所属していた、スパイ活動などを行っていた組織。ロシア読みだと「カーゲーベー」。
ソ連の崩壊と共に消滅し、ロシアでの後継組織はFSB(ロシア連邦保安庁)となっています。
ゲリラせん 軍隊として大規模攻撃を行うのではなく、森林や市街地などで敵を待ち伏せして不意打ちの攻撃を行う戦術。「遊撃戦」ともいいます。
規模の大きな敵軍隊に真正面から戦っても勝ち目が無いときなどにはゲリラ戦で長期戦に持ち込み相手の消耗を待つなどの作戦もあります。
似た用語として非正規軍を指す「パルチザン」、占領軍に対抗する集団「レジスタンス」があります。
国連こくれん 国際連合(United Nations)の事。
1945年に第二次世界大戦の戦勝国を中心に設立された、現在ほとんどの独立国が属する、国際平和や安全維持、各国の友好関係の発展、経済・社会問題などを目的とした国際機関。
今回の件では侵略の当事国であるロシアに、社会主義・独裁国家で共通する中国が常任理事国であるため、1国でも反対投票があれば決議が否決される安全保障理事会は意味をなしていないという声も挙がっています。

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さ行

用語 説明
サイバー攻撃 標的のパソコンやサーバーなどに不正に入り込みシステムを破壊したり改ざんするなどの行為。サイバーテロともいいます。
DDoS攻撃、不正アクセス、ランサムウェア、などなど様々な手法があり、これらを組み合わせて行うパターンも。
ロシアがウクライナに侵攻する数時間前には大規模なサイバー攻撃が行われており、ウクライナが混乱しているタイミングで侵攻を開始しています。ロシアは2014年のクリミアへの侵攻の際もサイバー攻撃後に侵攻を開始しています。
世界中でサイバー攻撃の脅威が高まっており、日本でも2022年2月にトヨタ自動車の関連企業がサイバー攻撃を受けシステム障害の影響で工場が稼働停止となる事態となっています。
CIA アメリカの中央情報局(英語:Central Intelligence Agency)のこと。
映画などにも名前が登場するよく知られた組織で、世界中から安全保障に関わる情報を集め分析・処理、諜報活動などを行っています。
今回の侵攻では情報の内容からNSA(国家安保障局)の方がよく報道されています。
ジャベリン アメリカの企業が開発した「FGM-148 ジャベリン」(FGM-148 Javelin)のこと。アメリカやNATOからウクライナに提供されています。
非常に優れた対戦車ミサイル・多目的ミサイルで、携帯式で約20kg、操作が簡単で照準を合わせると自動で追跡し標的を爆破します。
そのまま戦車を狙うダイレクトアタックモードの他、戦車の弱点である装甲の薄い上部を狙える「トップアタックモード」も搭載しています。
価格は1発2000万円ほどと高価。
情報戦じょうほうせん 自国がより優勢であることをアピールして敵を怯ませたり、あらかじめ作戦を読んで先にそれを報道したりして情報が筒抜けであるように思わせたりと、戦況が有利になるよう情報を利用する戦術。報道を見ている側としては当事国の発表を鵜呑みにして信じるのは危険で、様々な状況を見て判断する必要があります。
広義でいうとロシアの国内の情報統制であったりプロパガンダ映像など等も含まれたり、説明するにはかなりのボリュームになるため、ニュースでよく使われる意味での「情報戦」の説明に絞っています。
ジョージア ロシアと隣国で、ウクライナとは黒海を挟んで東側に位置します。
2008年、ジョージア国内としていた南オセチアでロシアとの間で軍事衝突が起き、以降南オセチアはロシアが実効支配する地域となりました。同年ロシアとの国交断裂、以降はロシア語読みの「グルジア」から「ジョージア」へ変更。
2022年3月に「ジョージアからもロシア軍を派遣」という報道がありましたが、これは南オセチアに駐留するロシア軍からという意味になります。
また、ロシアに占領されている地域外のジョージア国内からは多数の義勇兵がウクライナへ向かったと報道されています。
シンクタンク 各分野に特化した研究機関や組織のことで、それぞれの専門家が集めら分析や予測や技術開発などを行っており、それらの知識や情報を発表したり提供しています。
例えばアメリカでは政治を研究するシンクタンクが政府に様々な提言を行い、社会的な影響力をもつようになった組織もあります。
今回の侵攻では各国のシンクタンクが今後の戦況を読んだり復興についての提案などの発表を行っています。
日本にも政府・自治体や民間も含めると100以上のシンクタンクと呼べる機関があります。
SWIFTスイフト 国際銀行間通信協会およびその決済ネットワークシステムのこと。
世界各国の銀行とネットワークされており、通貨の異なる国の間で金銭のやりとりを可能にするシステム。
今回の侵攻での経済制裁の一環としてロシアの大手7銀行をSWIFTから排除する事が決まりました。
これにより国際的な送金がやりづらくなりますが、2022年3月時点だと最大手のズベルバンクなどは除外されていません。
スヴァウキ・ギャップ リトアニアとポーランドの国境である約96kmの事で、NATOの弱点とされています。
スペルはSuwalki Gap。「スヴァウキ回廊」の表記も見られます。
ロシアが第二次世界大戦で手に入れた、本土と飛び地の領土であるカリーニングラードと、ロシアと親密な関係のベラルーシに挟まれている場所でもあります。
そのためロシア側とベラルーシ側の両方から侵攻された場合、国境北側にある「エストニア」「ラトビア」「リトアニア」のバルト三国が孤立してしまうため占領される恐れがあります。
スヴァウキはリトアニア国境に隣接したポーランドの都市名です。
スティンガー 携帯式防空ミサイルシステム「FIM-92 スティンガー」(FIM-92 Stinger)のこと。
1980年頃には実戦で使われていた古い武器ですが、低空を飛行するヘリコプターや戦闘機も追尾して攻撃することが出来る高性能ミサイルで、アメリカやNATOからウクライナへ提供され、多数のロシア機を撃墜させています。
スラブ人 ロシアやソ連諸国だった地域、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパに多く住む、言語的な繋がりのある集団を指す用語。
ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、チェコ、ハンガリー、ポーランドなど他多数の国が含まれます。
スラヴ人、スラブ民族、スラヴ民族の表記もあります。
巡航じゅんこうミサイル 戦闘機のように翼があり、長距離飛行し目標を攻撃するミサイル。
ロシア国内や占領しているクリミアなどからウクライナへ向けて発射されています。
ジョンソン首相 2019年に就任したイギリスのボリス・ジョンソン首相のこと。
侵攻前の段階ですでに、ウクライナの支援をしなければ、(中国による侵攻の可能性が高い)台湾へも脅威が及ぶと声を挙げていたり、侵攻後は経済政策を積極的に行うなど、世界の危機と捉えアメリカとともにウクライナを支えています。
侵攻開始から1ヶ月後に行われたG7首脳会合では、好物であるという福島県の「ぬか茂菓子店」のかりんとうを持参し、日本の岸田首相と一緒に食べた事でも話題になりました。
地雷じらい 地面に埋めて人や車両が上を通った時に爆発する兵器。
人を殺傷したり離れた場所にいても破片で身体の一部を失うなどの被害が世界各地で起きており、さらに過去に埋められた地雷が未だに大量に存在し国際的な問題になっています。
日本は「対人地雷禁止条約」(オタワ条約)により100万個を超える対人地雷を2003年2月にすべて廃棄しており、この状態で侵略の際の安全が確保されるのか議論があります。
なおアメリカ合衆国、ロシア、中華人民共和国などの軍事大国はこの条約を締結していないため対人地雷を保有しています。
人道回廊じんどうかいろう 民間人の巻き添えを防ぐために確保された避難ルートの事で、定めた位置と時間は攻撃しないよう合意が行われます。
ただ人道回廊への攻撃も報告されていたり地雷が発見されたとの報告もあります。
チェチェンやシリアを侵攻した時には人道回廊設定後に残った市民を巻き添えに無差別の総攻撃を行うなどの行為が行われており、今回も同じ事が繰り返されていると批判の声があります。
人道支援じんどうしえん 生命、病気、貧困など人道上、人として守るべき尊厳を保つための支援。人道援助とも。
ウクライナ国内では原子力発電所や水道・ガスなどのインフラが破壊されており、こうした状況を救うべく現地では人道支援センターなども設置されていますが、そこも攻撃対象とされ砲撃を受けています。
隣国のポーランドではウクライナからの難民を数十万人と受け入れています。
制空権せいくうけん 敵の航空戦力を抑制しており、空域を優勢的に確保している状態のこと。
ウクライナ側は多数のロシア軍戦闘機を撃墜しており、ウクライナの制空権はまだロシアに掌握されていない状態(2022年3月)。
生物化学兵器せいぶつかがくへいき 炭疽菌などを使う「生物兵器」、神経剤などを使った「化学兵器」をあわせて生物化学兵器と呼びます。
生物兵器は2018年時点で締結国182か国のジュネーヴ議定書で、化学兵器は2018年時点で締結国193か国の化学兵器禁止条約で禁止されています。
「生物・化学兵器」の表記も見かけます。
生物兵器せいぶつへいき 人間や動物に有害な細菌・ウイルスを使った兵器。
炭疽菌、天然痘ウィルス、コレラ菌、ボツリヌス毒素などがあり、2018年時点で締結国182か国のジュネーヴ議定書で使用が禁止されています。
Z ウクライナへ侵攻したロシア軍の戦車などに「Z」という文字が書かれており、これがロシア国内でウクライナ侵攻を支持するシンボルとして使われるようになりました。
2022年3月5日に行われた体操の種目別ワールドカップでロシアのイワン・クリアク選手が胸部分にテープでZのマークを付け表彰台に立ったとして批判を浴びますが、本人は「また同じことをする」と発言しています。
Zの意味は公式の発表がないため不明ですが、勝利を意味する「Za pobedy」とか、西の意味の「Zapad」、ゼレンスキー大統領の「Zelenskyy」なのではないかと言われています。
ゼレンスキー 2019年5月20日から就任している現ウクライナ大統領(2022年2月時点)。ユダヤ人。
本名は「ウォロディミル・オレクサンドロヴィチ・ゼレンスキー」、英語表記だと「Volodymyr Oleksandrovych Zelenskyy」。
ウクライナからの避難をすすめる各国からの声があるものの、自らの身の危険もかえりみず首都キエフに残り(2022年3月時点)指揮をとっています。
SNSも巧みに利用したり各国の国会でオンライン演説をするなどリーダーシップを発揮。
裸でギターを弾くなどの芸をする元コメディアンであった経歴も話題になりました。
公式Twitterはこちら「@ZelenskyyUa」です。
戦術核せんじゅつかく 戦況を有利にするために通常の戦闘の延長線上の意味合いで使う核兵器を指す言葉。戦術核兵器。
戦略核よりも短距離で威力が弱いとされますが、必ずしもそうではありません。
「戦術核戦略核」のように呼ぶ場面がよく見られます。
戦略核せんりゃくかく 敵国の人口密集都市や軍事施設、行政機関などを狙った核兵器を指します。戦略核兵器。
戦術核よりも威力が強く射程距離も長いとされますが、必ずしもそうではありません。
「戦術核・戦略核」のように呼ぶ場面が見られます。
装甲そうこう 戦車などに取り付けられている、敵からのミサイル攻撃などを防ぐための鉄板。軍事専門家の話などを聞くときなど耳にする事があります。
対戦車ミサイル・ジャベリンは装甲の厚い戦車の車体部分でなく、装甲の薄い戦車上部からの攻撃を行う事が可能。
ソ連それん ソビエト社会主義共和国連邦の事で、ソビエト連邦またはソ連と略されます。
連邦としていますが実際は中央集権的な社会主義国家で、1991年の崩壊後に現在のロシアとなりました。
崩壊時には多くの地域が独立しています。

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た行

用語 説明
第三次世界大戦 現在は形式的には「ウクライナとロシアの戦争」ですが、世界的な対戦に発展する可能性も指摘されています。
オーストリア皇太子の暗殺から始まった第一次世界大戦のように、どんな事がきっかけで起きるかわからないため緊張が高まっています。
大隊だいたい 陸軍の編制上の単位で、国や作戦によって異なりますが1個大隊あたり500~700人くらいの場合が多いです。
アメリカの分析によるとウクライナを制圧するには最低100個大隊が必要とされますが、ロシアがウクライナに侵攻した際の大隊数は66~67でした。
対戦車砲 戦車の分厚い鉄板「装甲」も破壊するほどの威力がある兵器。
携帯用のミサイルに比べ大きさがあるため使用する場所まで運ぶ必要があり、現在の戦争では自陣では対戦車砲を使うこともありますが、敵陣地ではミサイルが使われる事が多いです。
対戦車ミサイル 戦車を攻撃するためのミサイルで、誘導機能がある点が対戦車ロケット弾と異なります。
戦車の弱点である上部から攻撃が出来るジャベリンなどがあります。
対戦車ロケット弾 戦車を攻撃するためのロケット弾。誘導機能が無い点が対戦車ミサイルと異なります。
古くから使われているRPG-7が有名。
弾道ミサイル ロケットエンジンなどを使い、弾道のように放物線を描いて目的の地点に到達し破壊する兵器。
大気圏まで高度を上げるものもあり、1万km以上の距離を飛ばすことも可能。
チェチェン ロシアに属するチェチェン共和国のこと。
ソ連崩壊語に独立派と残留派の間で紛争が起き、1999年から始まった第二次チェチェン紛争ではロシアが侵攻し独立派を制圧、以降はロシアの傀儡政権となっています。
ウクライナ戦争ではロシアの義勇兵を派遣しているとの報道がありましたが、カディロフ首長はこれを否定しています。
地対空ちたいくうミサイル 地上から打ってヘリコプターや戦闘機を撃墜するための兵器。
「FIM-92 スティンガー」などが有名。
中国 もともとロシアとはそれほど親密な関係ではなかったものの、社会主義・独裁政権・覇権主義などの共通点から近年意見を合わせる事が多くなっており、今回の侵攻でも国連でロシアへの非難決議を棄権するなど、数少ない賛成しない側に回っています。
ただ世界情勢を見ると世界中が反発するなか、いつまでもロシアの味方であるのが厳しくなりつつあり、今後の動きが注目されます。
チュバイス オリガルヒの1人でプーチン大統領の盟友とも言われるアナトリー・チュバイス。
2022年3月に大統領特別代表を辞任してロシアから出国、戦争に反対の立場を取っていたとのこと。
それまで反戦を理由に辞任した人達の中では一番の要職との事で話題に。
極超音速ミサイル マッハ5(6000km/h、音速の5倍)以上の速度が出るミサイルの呼び方。2022年3月にロシアが使用したキンジャールの他、イスカンデル等があり、各国が開発を進めています。
極超音速の読み方は「きょくちょうおんそく」または「ごくちょうおんそく」。
デフォルト 国の発行する債券が期限までに支払えない状態をデフォルトといい、日本語で「債務不履行」。
経済制裁によりロシアの外貨準備金の多くが凍結され利用できないため、デフォルトに陥る可能性が高いと予測されています。
デフォルトした場合は国の状況によって展開が異なるため明確にどうなるとは言えませんが、ロシアの場合は国民の生活はルーブルの価値低下でキツくなりますが、そのまま変わらずプーチンが大統領に居座ると個人的には思っています。
天然ガス エネルギーや化学品の原料として使われる地下に存在するガス。
ロシア産の天然ガスをドイツなどEU各国が輸入しており、エネルギー依存度も高かったため、ウクライナへの侵攻開始当初はなかなかEU内でも制裁の内容がまとまりませんでしたが、脱ロシアの方向へ舵を切り、SWIFTからのロシア排除等の制裁を行っています。
特別軍事作戦とくべつぐんじさくせん 2022年2月24日のウクライナへの侵攻を指す言葉で、侵略・侵攻・戦争・攻撃などの用語は使わず、ウクライナを「非軍事化」と「非ナチ化」するための「特別軍事作戦」プーチン大統領が発表しています。
ドネツク人民共和国 ウクライナ東部にある親ロシアの地域で、2014年にロシアの支援を受けた武装勢力が一方的にウクライナからの独立を宣言しており、政府との紛争が続いています。ウクライナはロシア軍が支援だけでなく戦闘に加わっていると主張していますが、ロシアは否定しています。
ウクライナ語読みは「ドネツィク」。
同じ立場にある「ルガンスク人民共和国」とともに、ロシアは2022年2月21日に独立を承認し、これらの地域の要請を理由の1つにして同年2月24日にウクライナへの攻撃を開始しています。
なおロシア以外の主要国は独立を認めておらす、ロシアのみが承認としています。
ドローン 無人航空機の事で、カメラを取り付け遠隔から操作したり攻撃が可能なドローンも存在します。
今回の戦争では攻撃用無人航空機としてウクライナとロシア両国も使用しており、敵の動きや偵察に使われている様子が報道されています。
ロシア軍の戦車を破壊するなど、セスナ機のような大型のトルコ製ドローン「バイラクタルTB2」の活躍も報じられています。
ドンバス地方 ウクライナ東部のドネツク州(ウクライナ読み:ドネツィク州)と、ルハーンシク州のある地域を指す言葉。
両州ともロシアに国境を面しており、2022年3月25日にロシア軍はキエフの早期陥落が難しいと読んだようで、ドンバス全域を解放(ロシアが支配する)すると発表しています。

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な行

用語 説明
NATO 1949年4月4日に誕生した北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Organization)のこと。多国間軍事同盟で「世界最強の軍事同盟」とも言われています。
ウクライナはNATO加盟への意向を示していましたが、ロシアへの刺激になると考えられていたからか長らく加盟を認めていない状態が続き、未加盟のままロシアの侵攻が開始されてしまいました。
そのためNATOも軍事介入は出来ず、武器提供など後方支援のみが行われています。
加盟国はドイツ・フランス・イタリアなどヨーロッパ各国とアメリカなど、2022年時点で30か国で、外部から攻撃された場合に集団的自衛権で対処します。
初代事務総長曰く「アメリカを引き込み、ロシアを締め出し、ドイツを抑え込む」とのことで、軍事的に脅威である対ロシアを想定した同盟。
ナビウリナ ロシアの経済学者でロシア連邦中央銀行総裁、エリヴィラ・ナビウリナ。
有能で海外からもその手腕が高く評価されている人物。
ウクライナへの侵攻後に辞任を表明しますがプーチン大統領に拒否されたこと報道されています。
難民なんみん 人種や宗教や政治的に迫害される恐れがある場合や、戦争など武力衝突により他国に逃れる人達のこと。
ロシアからの攻撃を逃れるためウクライナからの難民が2022年3月15日時点で300万人を超えたことが国連の関連機関により発表されています。半数以上はポーランドへ向かったとされます。
なおウクライナはロシア本土への攻撃は行っていない(2022年3月時点)ためロシアの難民はありませんが、戦争による経済の混乱を避けるために国外脱出するロシア国民がいるとの報道があります。
偽旗作戦にせはたさくせん 自軍で攻撃しているのに別の軍が攻撃したと見せかける作戦。
2022年3月11日、ロシア軍がウクライナ国内からベラルーシ国境付近に向けて空爆を行い、ウクライナがベラルーシを攻撃したように見せかけてベラルーシ参戦への偽旗作戦を行ったり(ベラルーシは参戦せず)、さらに同月にはロシアが「アメリカの支援でウクライナが生物化学兵器計画を進めている」と国連で主張、これからロシアが生物化学兵器をウクライナが使ったと見せかける布石だと分析されています。

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は行

用語 説明
バイデン大統領 アメリカ大統領のジョー・バイデン(Joseph Robinette Biden Jr.)。
侵攻前からアメリカは参戦しないと表明しているものの、ウクライナへの技術提供や武器提供をおこなっています。
ハリコフ ウクライナ第二の都市で北東部に位置します。
ロシアからの無差別攻撃が続いており、一般市民の犠牲も多くボロボロになった建物が報道されています(2022年3月27日)。
パルチザン 侵略してくる敵に攻撃する、正規の軍隊でない武装した組織。
ウクライナでは今の所(2022年3月27日)パルチザンが存在する報道はありません。
似た用語で森林や建物から待ち伏せして戦う「ゲリラ」や、占領軍に対抗する集団「レジスタンス」があります。
飛行禁止区域 ゼレンスキー大統領はNATOに対して、ウクライナを飛行禁止区域に設定することを要望しています。
実現するとウクライナ上空をロシア軍機が飛ぶとNATOが撃墜することになるため、NATO側から却下されています。
明言はしていませんが、ロシアとNATOが争うことなり第三次世界大戦につながる事になるためと考えられます。
非ナチ化 ナチはかつて存在した侵略や虐殺(ホロコースト)を行っていたヒトラー率いるドイツの政党「ナチス」を指しています。
ロシアのプーチン大統領はウクライナを「非ナチ化」する目的で特別軍事作戦(侵攻)を行ったと発表してはいますが、実際は侵略する側になっています。
ファイブアイズ UKUSA協定アメリカ カナダ イギリスオーストラリアニュージーランド
諜報機関アメリカ国家安全保障局 (NSA)カナダ通信保安局 (CSE)イギリス政府通信本部 (GCHQ)オーストラリア信号総局(ASD)ニュージーランド政府通信保安局 (GCSB)
VPNぶいぴーえぬ 仮想専用通信網(Virtual Private Network)のこと。
ロシア国内では政府により情報規制されており、不都合な情報が入らないよう各種SNSや海外のサイトが見られないようブロックやアクセス制限されています(中国でも同じく金盾と呼ばれるグレート・ファイアウォールが設定されています)。
VPNを使う事でそれらの規制をすり抜ける事ができるため若者を中心にVPNアプリの利用が急増しています。
ブダペスト覚書 1994年12月5日にハンガリーのプダベストにて署名された覚書。
当時核を保有していた「ウクライナ」「ベラルーシ」「カザフスタン」の3国が核兵器を手放す事を条件に、「アメリカ」「ロシア」「イギリス」が安全保障を行うという内容でした。
その後2022年2月には安全を保障する約束だったはずのロシアから侵攻されることとなった上に、アメリカとイギリスからも安全を保障されないという事態は、日本に衝撃を与えました。
プロパガンダ 特定の主義や思想、政治的意図をのある宣伝や主張の事で、個人の行動を誘導することを目的としています。
ロシア国内では国営放送やマスコミを使い、今回の侵略戦争をウクライナにいるロシア系住民の保護が目的なのだというプロパガンダ用の映像が繰り返し放送されていることなどが例として挙げられます。
兵站へいたん 作戦を実行している部隊への、食料や弾薬や武器などの補給、物流を担う活動。英語でロジスティクス(Military Logistics)。
今回の侵攻ではロシア軍の兵站が十分でなく、苦戦や士気の低下につながっているとの報道がありました。
軍事学者のアンリ・ジョミニは戦争の理論として戦略・戦術・兵站の三つの要素を挙げており、特に現代の戦争は動きや技術というよりは武器によって戦況が大きく変わるため、兵站はさらに重要との声もあります。
ベラルーシ ロシア、ウクライナ、ポーランド、リトアニア、ラトビアと国境を接する国で、大統領はルカシェンコ。
「ヨーロッパ最後の独裁国家」と呼ばれています。
ウクライナ侵攻のロシア軍を駐留させているなどロシアと関係の深い国とされ、同国と共に経済制裁を受けています。
プーチン大統領から参戦への圧力をかけられているという報道もありますが2022年3月29日時点では非参戦。
砲兵ほうへい ロケット砲やミサイルなどを扱う兵士の事。歩兵部隊の支援攻撃に当たります。
歩兵ほへい 戦闘機や戦車や軍艦などの乗り物でなく、徒歩で戦闘する兵士の事。

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ま行

用語 説明
マリア・オブシヤニコワ ロシアの国営テレビ局のニュース放映中に、アナウンサーがニュースの原稿を読んでいる時に乱入した女性。
戦争反対のメッセージが書かれた紙を掲げる様子が数十秒流れました。
父親はウクライナ人、母親はロシア人とのこと。
マリウポリ 市街地へのロシアの激しい砲撃が続き食料や水や薬もない状態で2022年3月22日には「非人道的な状況下にある」とゼレンスキー大統領が報告しています。
ミンスク合意 2014年ウクライナのドンバス地方で、ロシアの支援を受けて活動していた親ロシア派住民と政府が武力衝突したため停戦のために交わされた「ミンスク議定書」と、再び戦闘状態となったため2015年に交わされた「ミンスク2」の事。その後再び衝突が起きており形骸化の状態に。
2013年12月に当時のウクライナ大統領ヤヌコーヴィチが、EUとの協定を進めていたものの最終的に拒否、ロシアに歩み寄ると国内で大規模デモが起き同氏は身の危険を感じキエフを離れ亡命。
ロシアはこれをクーデターだとして2014年2月にウクライナへ軍事侵攻しクリミア半島を制圧、実行支配の状態となり、続いて2ヶ月後の4月にはロシアが支援するドンバス地方(ドネツク州・ルガンスク州)の親ロシア派が政府と武力衝突、停戦のための議定書「ミンスク合意」により一時停戦となりますが、2015年1月には再び戦闘がはじまり、2月にフランスとドイツの仲介で「ミンスク2」にウクライナ・ロシアが署名するもロシアにかなり有利な内容であった事や親ロシア派の激しい攻撃により政府側に死傷者が出ていたこともあり、2019年から就任したゼレンスキー大統領はドローンを使って禁止されている航空攻撃を行うなどミンスク合意は意味のない状態に。
無差別攻撃むさべつこうげき 兵士も市民も関係なく、女性・子供含む戦闘に参加しない人達への攻撃も行う事。
日を追うごとにロシア軍による無差別攻撃が激しくなっている事が報道されています。

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や行

用語 説明
揚陸艦ようりくかん 港湾の施設に頼らずに兵員や物資を陸揚げすることができる軍艦。
2022年3月24日にロシアの大型揚陸艦「サラトフ」を撃沈したとウクライナから発表がありました。

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ら行

用語 説明
ラブロフ外相 ロシアの外務大臣を務めている「セルゲイ・ラブロフ」のこと。
国連での会合ではロシアの正当性を主張する姿が度々報道されています。
トルコで2022年3月10日行われた同氏の会見では「我々はウクライナを攻撃していない、ロシアの安全が脅威に晒されているのだ」「アメリカ国防総省の実験だ」「ロシアが戦争を望んだことは一度もない」とし、マリウポリの小児病院が砲撃を受け妊婦や赤ちゃんが犠牲になる映像ついて聞かれると「(ウクライナ側の)過激派に支配されており新生児も看護師もすべて追い出されていた」と発言しています。
リビウ 「リヴィウ」の表記も見られます。
英語のスペルは「Lviv」。
ルーブル ロシアの通貨。
ウクライナ侵攻により経済制裁を受け、貨幣価値が下がり続けています。
ルガンスク人民共和国 ウクライナ東部のロシアと国境を面した位置にあり、2014年にロシアの支援を受けた親ロシア武装勢力により一方的に独立を宣言されました。ウクライナはロシア軍が支援だけでなく戦闘に加わっていると主張していますが、ロシアは否定しています。
同じ立場の「ドネツク人民共和国」と共にロシアが2022年2月21日に独立を承認、この地域の人達をウクライナから解放するという口実を作り侵攻を開始しています。
ルカシェンコ ロシア、ウクライナの隣国ベラルーシの大統領、アレクサンドル・ルカシェンコ。
1994年に大統領就任し「ヨーロッパ最後の独裁者」と呼ばれています。
西側とロシアとのバランスをとりながら関係を保っていたものの、2020年に大統領選の不正があったとする抗議デモが激化し、治安を保てなくなり自らの立場が危うくなると、独裁政治に批判的な西側には頼ることが出来なかったため、プーチン大統領に助けを求め、以降は完全にロシア寄りの政策に転換しています。
レジスタンス 侵略してきた敵や支配者に抵抗する勢力・運動の事。
似た用語で森林や建物から待ち伏せして戦う「ゲリラ」や、非正規軍を指す「パルチザン」があります。
レッドライン 「越えてはならない一線」で、他国の軍事行動などに対してのラインを引き、それを超えた場合は参戦するなど何かしらの行動を起こすという意味の用語。
アメリカ大統領への記者の質問などで、ロシアの行動について「これはレッドラインか」とか「こうした場合はレッドラインになるか」など聞かれている場面が見られます。
過去にロシアが支援するシリア(アサド政権)の化学兵器使用をレッドラインしていた、当時アメリカのオバマ大統領は実際に兵器が使用されたものの攻撃は行いませんでしたが、2018年のトランプ大統領はアメリカ・イギリス・フランスと共に攻撃を行っています。
ロジスティクス 戦闘部隊への武器や食料の補給など物流の事。
「兵站」(へいたん)ともいいます。
鹵獲ろかく 戦場で敵国の武器や装備、軍備や補給物資などを奪うこと。
ウクライナではロシア兵が残した戦車を接収(鹵獲)した場合でも非課税とする発表を行い話題に。
論文 「プーチン大統領の論文」と呼ばれるのが、2021年7月12日にプーチン大統領が発表した論文「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性」を指します。
主な内容としてはロシアとウクライナはもともと1つの民族であり運命を共有しているとし、新欧米の姿勢や大統領を否定する内容。発表後はウクライナ国民からは嫌悪感や反発が起きています。
これまでプーチン大統領は何度か論文を発表しており、大統領になる前や法律の関係で一旦首相になって大統領に復帰する際など、大きな節目になるタイミングで発表されていますが、この論文はそういった節目ではなく、コロナ禍で様々な歴史書を読んだとされ、その知識や私見をまとめたのではないかと言われています。

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わ行

用語 説明
ワルシャワ条約機構 1955年5月14日に当時のソ連や東ドイツが加盟していた、NATO(北大西洋条約機構)に対抗する軍事同盟。
1991年7月1日に解散となっています。

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