「ファーストペンギン」とは、南極の氷や岩にいるペンギンの群れの中で最初に海に飛び込む1羽を指す用語で、海へ飛び込もうとしていながらその場に留まっている多数のペンギンが、この最初の1羽に続いて一斉に飛び込むペンギン達の集団行動の習性を人間の世界に例え、「チャレンジ精神」や「最初の1人になる勇気」といった意味合いで使われる用語です

餌となる魚はいるものの、天敵のいるかもしれない海へ飛び込む勇気や、リスクを恐れずチャレンジする姿勢などを表現しています。
「ファースト・ペンギン」「ザ・ファースト・ペンギン」という表記も見られます。

「ファーストペンギン」の言葉の使い方や表現は以下の通りです。

  • あの人はファーストペンギンですね
  • 最初に切り開いたパイオニア、ファーストペンギンだね
  • この世界のファーストペンギン的な会社
  • ファーストペンギンだったけど結果はどうなるか
  • ファーストペンギンになりたい


ビジネスの世界であったり、ベンチャー企業などに対して使われる事が極まれにありますが、2018年時点ではまだあまり認知されている用語とは言えない状態ですが、下記のような書籍が販売されていたり、2015から2016年に放送されていたNHKの連続テレビ小説「あさが来た」の中で、ディーン・フジオカさん演じる「五代才助」が、同じく波瑠さんの「今井あさ」を「ファースト・ペンギン」と呼んだりと、少しずつですが知名度が上がりつつあります。

ザ・ファースト・ペンギンス 新しい価値を生む方法論
ファースト・ペンギン 楽天・三木谷浩史の挑戦
ファーストペンギンの会社—デジタルガレージの20年とこれから

「ファーストペンギン」がいつ頃から使われているのかや発祥について、はっきりとした事はわかりませんでした。
アメリカで使われているという情報があり調べてみましたが、「The First Penguin」「Be the First Penguin」(ファーストペンギンになる)というようなタイトルのブログ記事は存在していましたが、一般ユーザーが書き込めるような場所で「First Penguin」という表現を見つける事は出来ませんでしたので、あまり頻繁には使われてはいないようです。

確認出来た一番古い情報だと、2004年に開催されたゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2004」(コンピュータ・エンターテインメント・デベロッパーズ・カンファレンス)で、「ファースト・ペンギン・アワード」という賞が存在していました。
受賞したのはプレイステーション向けゲームソフト「パラッパラッパー」などを開発した松浦雅也さんで、新しい分野を切り開いた事が受賞理由でした。

2004年時点で賞の名前になるくらいですので、少なくともそれ以前からゲーム業界やコンピュータ関連の世界では使われていた可能性はありますが、辞書にも掲載されていませんし、それほど古くから使われているようではないと推測されます。

なお上の写真は愛知県にある「南知多ビーチランド」(2018年10月撮影)ですが、動物園や水族館でペンギンを観察しているとプールに飛び込む姿勢のまましばらく飛び込まなかったり、水際で周りの様子を伺っているペンギンが、最初の1羽が飛び込むと同時にまるで号令がかかったように躊躇していた周囲のペンギン達も一斉に飛び込む光景を実際に見ることが出来ます。