2002年(平成14年)の日本新語・流行語大賞です。1984年から開始され、この年は第19回に当たります。

前年・翌年と、すべての年の流行語についてはこちらをご覧ください。

2002年に起きた主な出来事は以下の通りです。
流行語が生まれた時代背景として参照ください。

  • ユーロ紙幣・硬貨が流通開始(1月)
  • 冬季五輪「ソルトレイクシティオリンピック」が開幕(2月)
  • 中国国際航空129便墜落事故が発生(4月)
  • 中国北方航空6136便放火墜落事件が発生(5月)
  • 日本と韓国で共催の2002 FIFAワールドカップ開幕(5月)
  • 小泉首相が日本の首相として史上初めて朝鮮民主主義人民共和国を訪問(9月)
  • バリ島で爆弾テロ事件発生(10月)
  • 北朝鮮に拉致されていた日本人5人が帰国(10月)
  • ロシアのモスクワで劇場占拠事件発生(10月)
  • アルゼンチン政府は世界銀行向けデフォルト(債務の不履行)発表(11月)

公式サイトの発表はこちら「2002年の日本新語・流行語大賞」です。

2002年の日本新語・流行語大賞

年間大賞

タマちゃん 8月に多摩川に現れたオスのアゴヒゲアザラシのことで、川の名称から「タマちゃん」と命名され新聞やニュース、ワイドショーなどで大きく取り上げられました。
多摩川にはタマちゃんを見ようと子供をつれた母親などの見物者で殺到し、「タマちゃーん」と呼ぶ姿がたびたびテレビで放送されました。
北極海周辺やベーリング海・オホーツク海に生息するアゴヒゲアザラシが関東まで来る事は非常に珍しい事。
その後、タマちゃんは横浜市の鶴見川や帷子川などにも出没し、目撃情報があった河川には多くの人が集まりました。
一方で「騒ぎすぎ」と指摘する声も一部で見られ、お笑い番組でこれらのこの騒動をコントとして放送されるなどの出来事もありました。
受賞者はタマちゃん発見者で多摩川で泳ぐアザラシを発見してビデオ映像をテレビ局に持ち込んだ佐々木裕司さんと、フジテレビのスーパーニュースでレポーターをつとめるタマちゃんの命名者である黒住祐子さん。
W杯(中津江村) 「2002 FIFAワールドカップ」でカメルーン代表チームがキャンプとして選んだのが大分県にある中津江村。
「いちばん小さな自治体のキャンプ地」としてテレビ番組でも注目され、カメルーン代表の到着を待ち構えていましたが、予定の日になっても選手達が到着しませんでした。
4日後に到着しましたが「選手が来ない」と話題になり、その後も気さくな選手達と村民との交流やカメルーンを応援する姿など、W杯開催中は中津江村の様子も注目されました。
受賞者は中津江村の村長・坂本休さん。

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トップテン

貸し剥がし 金融機関が融資している企業に対して、契約どおり債務の履行を行っているなかでも追加担保や返済を求めるなど回収を進める状態を指し、融資を控える「貸し渋り」よりも酷い状態を表現した言葉。
なお「貸し渋り」は1998年の流行語でトップテン入賞しています
受賞者については、当事者を特定不能のため「受賞者保留」。
声に出して読みたい日本語 声に出したり暗唱したりして読む事で日本語の響きや表現を楽しむ本で、古典の名作などが集められています。
前年頃からの日本語本ブームもあり150万部を超えるベストセラーに。その後続編も出版されました。
受賞者は明治大学文学部助教授で著者の齋藤孝さん。
真珠夫人 4月1日から6月28日まで放送されたフジテレビ系・東海テレビ制作の昼ドラで、横山めぐみさん演じる荘田瑠璃子の純愛やドロドロの愛憎劇が好評で高視聴率を記録。
原作は1920年(大正9年)6月9日から12月22日まで新聞に連載された菊池寛さんの小説で、流行語入賞以前にも映画化やドラマ化されていました。
受賞者はテレビ東海プロデューサーの鶴啓二郎さん。
ダブル受賞 この年発表されたノーベル賞で小柴昌俊さんが物理学賞、田中耕一さんが化学賞をそれぞれ受賞。
2人の日本人が同じ年にノーベル賞を受賞するのは初で、それぞれ11人目・12人目の受賞者となりました。
また田中さんについては島津製作所に勤める会社員で、現役のサラリーマンがノーベル賞を受賞したとして大きな話題になりました。
受賞者は東京大学名誉教授の小柴昌俊さん、島津製作所ライフサイエンス研究所フェローの田中耕一さん。
内部告発 この年発覚した牛肉偽装事件や東京電力の原子力発電所トラブル隠し、2000年の三菱自動車によるリコール隠しなど、内部告発によって発覚した事件が増えこの言葉が注目されました。
また、トナミ運輸社員が1974年にトラック業界の闇カルテルを読売新聞社名古屋支局へ告発したことの報復として、会社側から月に3回の転勤や空き地の草むしりをさせるなどの閑職を強要、社外では暴力団関係者による脅迫を行ったなどとして2002年1月に訴訟(2005年に勝訴)を起こした事も大きな話題になりました。
アメリカやイギリスでは内部告発者(公益通報者)を保護する法律が整備される中、日本では内部告発者の個人情報が公開されてしまうなどの問題が明らかになり、法整備が急務であるとの声があがりました。
受賞者は「ホイッスルブローアー=内部告発者: 我が心に恥じるものなし」の著書で、告発を行ったトナミ運輸元社員の串岡弘昭さん。
ベッカム様 この年行われたサッカーの日韓FIFAワールドカップにおいて、その甘いマスクで日本の女性達から絶大な人気を得たイングランド代表(背番号7番)の選手。
マスコミは「ベッカム様」と呼び、当時のベッカムの髪型「ソフトモヒカン」は「ベッカムヘアー」として男性の間で流行。
受賞者はW杯期間中にイングランドがキャンプ地として利用し「ベッカム様」も泊まった淡路島のウェスティンホテル淡路、その総支配人である藤本信一郎さん。
ムネオハウス 千島列島国後島の古釜布にある緊急避難所兼宿泊施設として建設された「日本人とロシア人の友好の家」のこと。
当時は鈴木宗男さんが建設に当たり建設業者の入札に当たり秘書とともに随意契約を行ったと追求されている中で、共産党の佐々木憲昭さんが現地では「ムネオハウス」と呼ばれていると発言、このインパクトある呼称にマスコミが大きく取り上げ報道されることとなりました。
受賞者は佐々木憲昭さん。
拉致 9月17日、小泉純一郎首相が北朝鮮の平壌を訪問し、金正日国防委員会委員長と会談(日朝首脳会談)。北朝鮮側が日本人13人を拉致したことを認め、10月15日に5人の拉致被害生存者が一時帰国。
しかし、北朝鮮が横田めぐみさんのものとして提出してきた遺骨が別人のものであったり、捏造やずさんな調査結果を報告するなどが見られ、他にも多数の拉致被害者がいるものと考えられています。
受賞者は「今年の日本を震撼させた一語として記録するものであり、これに関する人物の選定などは行わない」ためなし。

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2002 特別賞

Godzilla プロ野球・読売ジャイアンツの4番で活躍していた松井秀喜さんが、アメリカのメジャーリーグでプレーする意向を表明。松井さんの愛称である「ゴジラ」が注目されました。
1998年ゴジラはアメリカでも1998年に「GODZILLA」として映画化されており、アメリカでもこのニックネームで報道されました。
受賞者は松井秀喜さん。

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他の年の流行語について

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