スマートフォンのスペックや仕様を見ていると、「OS」「CPU」「mAh」「カメラ画素数」「ディスプレイのサイズ」「IEE 802.11」等など、ノートパソコン(PC)と似たような項目が並んでいますが、スマホにしか見かけない表記があります。
それは「ROM」です。

PCには「DVD-ROM」や「BD-ROM」のように搭載しているドライブの性能についての項目にはありますが、スマートフォンにあるような単体での「ROM」の項目はまずありません。
この「ROM」の正体は何かと言うと、PCでいう「ハードディスク」(HDDやSSD)に当たります。

なぜ同じ「ファイルを保存する場所」なのにスマホとPCでそれぞれ呼び名が違うのか、またPCでは「メモリ」対しスマホでは「RAM」と表記される事が多い理由もあわせて下記で詳しく見てきます。

ROM
上でも言及しましたが、スマートフォンでいうROMは動画や写真やアプリなどのファイルを保存しておける場所、PCでいうハードディスクです。

ROMの意味は「Read Only Memory」(リードオンリーメモリー)の略で、リードオンリーの名前通りすでに記録されている情報のみを読み出す事が可能なメモリで、日本語では「読み出し専用メモリ」とも訳されます。
なので本来の言葉の意味でいうとファイルは保存できないのですが、スマホの世界ではROMにファイルを保存します。

なぜ書き込み可能にも関わらずROMという名称になったのか、明確な理由がないので確実には言えませんが、スマートフォンのOSが最初から保存されていて、そこは書き換えができない場所だからと言えそうです。

スマホの発売した当時はOSをインストールしたらほぼ領域が埋まり、ファイル保存についてはわずかしか出来ませんでした。
そのため書き換え不可能なファイルが容量のほとんどを占めている事からROMという呼称になったと考えられます(厳密に言うと書き換え不可能ではありません)。

今のようにROMの大容量化が出来ていて、PCのように「OSはCドライブ、ユーザのファイル保存はDドライブ」のように領域が分かれて発売されていたなら、もしかして「ROM」のような表記はされていなかったかもしれません。

なお海外の端末スペック紹介でも「ROM」と表記されているのを稀にですが見かけますので、日本独自の表記というわけでもないようです。
ただ、一般的には下記の表記をよく見かけます。

  • storage (ストレージ)
  • internal storage (インターナルストレージ)
  • Built-in storage (ビルトインストレージ)
  • flash memory (フラッシュメモリ)

このROMの表記が使われだした頃、紛らわしいとかわかりづらいとの声も聞かれましたが、あっという間にROMの表記が普及してしまいました。

ROMについてのさらに詳しい情報はこちら「スマートフォンのROMとは?」(作成中)をご覧ください。

なおネットで使われる用語にROM専という言葉があり、これはMemoryの部分を文字って「Read Only Member」(リードオンリーメンバー)とし、読むだけで書き込みをしないユーザを意味します。
詳しくは「ROM専とは?」をご覧下さい。

RAM
RAMについてはROMと違い、パソコンの分野でも同じ意味で使われています。

RAMはRandom Access Memory(ランダムアクセスメモリ)の略で、一時的にデータを置いておく場所で、単に「メモリ」や「メインメモリ」と表記される事が多いです。その特性から「揮発性メモリ」とも呼ばれます。

表記についてはスマホでは「RAM」のみで、PCでは「メモリ」が多く「RAM」が時々使われている違いがあります。

スマホの場合はROMとRAMを合わせて「メモリ」と表記する事が多ため、RAMの表記が広まったと考えられます。

ドコモ公式サイトでの表記 メモリの項目にROMとRAMがある

実際、メモリという言葉自体の意味としては、スマホでいうROMやRAMを含む意味がありますので間違っていません。
PCでは慣用的にメモリー=RAMとして扱われますが、本来はイコールではありません。

RAMについてのさらに詳しい情報はこちら「スマートフォンのRAMとは?」(作成中)をご覧ください。

その他にもスマートフォンに関する用語を解説していますので、こちら「スマホ用語まとめ」をご覧下さい。