ネット上で使われている「既視感」とは、画像や動画等のコンテンツを見た際に、過去に見た何かと重なって見える感覚の事です。
「色違いで同じ様な写真あったな…」「あのロゴマークと、この建物の形が似てる…」「この動画の流れ、あれとそっくり…」といった事が該当します。
例えばこちらのツイートは池田エライザさんが進撃の巨人のモニュメントを見た際に、既視感を感じよく思い出してみると、過去に自分がこのような写真を残していた事がわかりました。
ユニバの巨人の画像を見て
毎度既視感を感じていたけど、
やっとわかった。
私だ。 pic.twitter.com/ykmp1a0MyB— 池田 エライザ (@elaiza_ikd) 2015年7月1日
このように今目の前にあるものが、過去に見たフォルム(形)であったり色、動き、物事の流れ、言葉、状況、など何かが一致しているような感覚を「既視感」と表現します。
他にも以下のような使い方や表現があります。
- なんか既視感あるんだよな…思い出せないけど
- 既視感あるなと思ったら、あの人と髪型そっくりだ
- この流れなぜか既視感あると思ったらYouTubeで見た動画と同じだった
- 思い出したけどあの絵の既視感はこれだ(参考画像のURL等を添付)
- 既視感ハンパない
ここまで「ネットで使われている既視感」を説明しましたが、実は本来の既視感の意味は少し違っていて、ネットでは誤用が広まっていることになります。
デジャブとの違いについても、下で詳しくみていきましょう。
誤用について
本来の既視感は「過去に一度も経験したことが無いのに、なぜか同じ様な体験をしたように感じる」事をいいます。
ネットで使われている既視感は、以前に見たり聞いたりしたものと重なる事を表現しているため、本当の既視感の意味である「過去に一度も経験したことがない」部分が異なります。
2010年を過ぎた頃からツイッターやSNS等で上記のような意味合いの既視感が使われはじめ、今ではかなりの頻度で若者を中心に使われていますが、ほとんどの場合がこのような誤用となっています。
「既視感」の漢字をみてもそのような使い方でそれほどの違和感はありませんし、画像や動画を気軽にアップロードして共有できる時代背景もあり、一気に広まってしまったのではないかと考えられます。
デジャブとの違い
フランス語・英語の「デジャブ」(デジャヴ、デジャヴュ)は日本語訳すると「既視感」なので、本来は全く同じ意味です。
上の項目でも触れていますが2010年頃まではネット上でも、デジャブも既視感も正しい使い方をされていましたが、既視感だけは上で説明したような誤用がSNSで使はじめました。
今ではデジャブは「過去に経験した事がないのにあるかのような感覚」で、既視感は「画像や動画や流れが、過去に見た何かと一致している感覚」といった意味合いで使われるようになっています。
確かに、自分の中のデジャヴュと既視感の認識の違いはこれと全く同じです。
しかし、頭の中にはデジャヴュ=既視感になっているといった良く考えたら矛盾した思い違いをしていたのだと、気付きました。