「生娘をシャブ漬け戦略」は2022年4月16日に行われた、早稲田大学の社会人向けのマーケティング講座にて、講師として登壇した吉野家常務取締役の伊東正明さんが発言した内容で、テレビやネットで大炎上となった発言です。
問題の発言は、若い女性向けの自社マーケティングについて『生娘をシャブ漬け戦略』とし、『田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢・生娘な内に牛丼中毒にする。男に高い飯を奢って貰えるようになれば、絶対に食べない』という内容であった事が講座参加者から報告されています。
マーケティング講座は合計29回の予定で開催され、受講料は38万5000円、該当の発言は初回の授業でありました。
4月17日頃からTwitterで一部の情報が早い人達の騒がれはじめ、5ちゃんねる(元2ch)でも注目されると、18日には各社報道機関やヤフーニュースはじめネットニュースでも大きく取り上げられ炎上。
多くの批判がネット上でみられ、吉野家と早稲田大学は謝罪文を発表するに至りました(下記の項目参照)。
この影響で、同月18~19日に行われる予定だった、開発に10年かけたという新商品の親子丼の発表会(藤田ニコル出演予定でした)が中止されています。
大騒動となった18日から1日経った翌19日日には吉野家より伊東正明さんの解任が発表され、炎上は数日で下火になりました。
なお同社のテレビCMに出演しているのはタレントの藤田ニコルさんであり、おそらく既存のメイン顧客層である男性のサラリーマン以外の、若年女性を囲い込むマーケティングを行っている最中だと思われますが、最も言ってはいけない発言をしたことになります。
以下は吉野家と早稲田大学から発表された内容です。
吉野家の発表
2022年4月18日に吉野家公式サイト(PDF)で発表された内容です。
株式会社吉野家常務取締役企画本部長が、4 月 16 日に開催された外部における社会人向け講座にて講師として登壇した際に、不適切な発言をしたことで、講座受講者と主催者の皆様、吉野家をご愛用いただいているお客様に対して多大なるご迷惑とご不快な思いをさせたことに対し、深くお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした。
当該役員が講座内で用いた言葉・表現の選択は極めて不適切であり、人権・ジェンダー問題の観点からも到底許容できるものではありません。当人も、発言内容および皆様にご迷惑とご不快な思いをさせたことに深く反省し、主催者側へは講座開催翌日に書面にて反省の意と謝罪をお伝えし、改めて対面にて謝罪予定です。
吉野家はお客様にご満足いただける商品・サービスを追求し続けております。本件を受け、社内規定に則って当人への処分を含め厳正に対応を進めてまいります。また、当社は今後一
層コンプライアンス遵守の徹底に取り組むべく、コンプライアンス教育の見直しを図り、すべてのステークホルダーの皆様に対し、高い倫理観に基づく行動をお約束します。改めまして、この度は大変申し訳ございませんでした。重ねてお詫び申し上げます。
2022年4月19日に吉野家公式サイト(PDF)で発表された内容です。
1.執行役員および子会社取締役解任について
当社は、昨日開催いたしました臨時取締役会において当社執行役員および子会社である株式会社吉野家常務取締役の伊東正明氏の取締役解任に関する決議を行い、2022年4月18日付で同氏を当社執行役員および株式会社吉野家取締役から解任しましたのでご報告します。本日以降、当社と同氏との契約関係は一切ございません。2.解任理由
同氏は人権・ジェンダー問題の観点から到底許容することの出来ない職務上著しく不適任な言動があったため、2022年4月18日付で同氏を当社執行役員および株式会社吉野家取締役から解任しました。3.今後の経営体制
株式会社吉野家企画本部長は、当社および株式会社吉野家代表取締役河村泰貴が兼務します。
今回の事態を重く受け止めて、当社及び当社グループ役員に対するコンプライアンス研修を2022年5月に開催し、コンプライアンス遵守の徹底に取り組んでまいります。ステークホルダーの皆様にはご心配とご迷惑をおかけしております事を深くお詫び申し上げます。
早稲田大学の発表
2022年4月18日に早稲田大学公式サイトで発表された内容です。
本学講座における講師の不適切発言について
学外の学修者へのリカレント教育である「デジタル時代のマーケティング総合講座」における講義担当の株式会社吉野家常務取締役企画本部長の発言は、教育機関として到底容認できるものではありません。
早稲田大学として受講生の皆様に心よりお詫びするとともに、
当該講師に厳重に注意勧告を致します。なお、当該講師には「デジタル時代のマーケティング総合講座」の
講座担当から直ちに降りていただきます。