「千畳敷」は和歌山県西牟婁郡の白浜町にある海岸で、第三紀(6430万年前から260万年前)に海岸線の荒波により長い年月をかけて形成された複雑な地形が特徴。
読み方は「せんじょうじき」。
幾重にも重なりあった美しい地層断面や軟性の突起した岩など、自然が作った造形美を目の前で見ることが出来、その先にの海もとても綺麗でした。
なお、千畳敷と名付けられた場所は和歌山県だけでなく、有名なところだと長野の「千畳敷カール」や山口県の「千畳敷」、八王子城の一角にある千畳敷という広場などが挙げられます。
畳千畳という名前からするとかなり広いイメージで、実際広いですが、この千畳敷は約20000㎡であり、1000畳は不動産表記基準で1620㎡なので、千畳敷の方が名前より10倍以上広くなっています。
案内板には以下のように説明されています。
千畳敷は、太平洋に突き出た広大なスロープ性砂岩です。
このデコボコの岩畳は、第3紀層のやわらかい砂岩が打ち寄せる荒波に長い間侵食されてできたものです。
三段壁とともに白浜を代表する雄大な景勝地です。
それでは実際に千畳敷がどのような場所なのか、写真とともに見ていきましょう。
訪問・撮影したのは2019年11月です。
駐車場・案内板
駐車場は無料(訪問の2019年時点)で、茜・千畳茶屋というお食事処・おおみやげのお店があります。
広さはありますが、観光シーズンだといっぱいになりそうです。
千畳敷は和歌山県の朝日・夕陽100選の1つという事で、碑と千畳敷の案内板があります。
案内板の内容は以下の通り。
- 地層の成り立ち
- 千畳の「千」は、「広い」という事を意味し、実際は畳千枚分よりもっと広く、瀬戸崎から湯ノ崎にかけての2ヘクタールにもおよぶ台地状の地形を千畳敷と呼びます。今から約1800年前から1500万年前に、浅い海の底に砂や礫がたまってできた地層がその後隆起し、さらに波浪によって侵食を受けてできた地形です。
- 千畳敷が大昔、浅い海だった証拠を探してみよう
- 千畳敷では浅い海でできた地層であることを示す模様(堆積構造)や海底の生物が活動した跡(生痕化石)を見ることができます。
- ウェーブリップル(波状の模様)
- ハンモック状斜交層理(堆積した地層)
- 生痕化石(せいこんかせき、岩に残った生物の化石)
- ユビナガコウモリの繁殖地
- 千畳敷近くの海蝕洞は、ユビナガコウモリ(ヒナコウモリ科)が、出産と子育てのために集まってくる、近畿地方唯一の繁殖地で、白浜町の天然記念物に指定されています。
千畳敷の風景
落書きについて
残念なことに千畳敷は落書きが多い事がよく指摘されます。
実際に訪れてみた感想としても、千畳敷に入ってすぐの場所から始まり、隅々までびっしりと深く彫られた落書きが目立ち、市や県のウェブサイトやパンフレットの写真を見ても遠目から撮影されたものしかないのはこの影響かもしれません。
軟質な岩だけでなく固い地層や岩まで、ありとあらゆる場所に彫られており、自然が作り上げた美しい風景を台無しにしてしまっています。
さすがに以前よりリテラシーが高くなったこの時代に新たに彫られることはないだろうと思いきや、数ヶ月前ではないかと思われるような新しく彫られたものもあり、非常に残念な気持ちになってしまいました。
情報・アクセス
- 千畳敷(和歌山県)
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所在地 〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町2927-72 電話番号 0739-43-6588(白浜町観光課) 詳細 - アクセス