かりんとう饅頭は黒糖入りの生地に、餡(こしあん)を包み蒸し油で揚げた饅頭で、皮はかりんとうの様な色をしていて、ザクっとした食感と風味があります。
出来たて(揚げたて)のかりんとう饅頭はその名の通り、かりんとうを生地にしたような歯ごたえのある食感と味でとても美味です。
残念ながら店頭に並ぶ頃には歯ごたえは少なくなっており、普通の饅頭に近い状態になってはいますが、底部のような油分が残っている部分はサクッとした感触が残っていることが多いです。
揚げてから時間が経過すればするほど食感はなくなってしまうので、買ってから出来るだけ早いタイミングで食べるのがおすすめです。
なお、出来たてのカリカリ感を復活させるには、オーブントースターで焼いて常温で水分を飛ばす方法があります。
詳しくはこちら「かりんとう饅頭の食べ方について」をご覧下さい。
今は全国どこに行っても見かけるといっても過言ではないほど広まっているため、昔からある和菓子のように感じてしまいますが、実は2001年に福島県にある「菓子工房 あくつ屋」が初めて「かりんとう饅頭」として売り出したのが発祥です。
その後、地元福島県の和菓子屋さんはもちろん、全国のお菓子メーカーで作られるようになり、現在では各都道府県の主要駅のお土産屋さんであったり、スーパーや菓子店などで販売されています。
それではさらに詳しく「かりんとう饅頭」について見ていきましょう。
目次
かりんとう饅頭の特徴
元祖である「あくつ屋」のかりんとう饅頭は、こしあんを黒糖入りの饅頭生地で包み込み蒸し、油で揚げて作られます。
多くの場合は基本的にこの製法ですが、現在かりんとう饅頭は全国津々浦々、数々のお菓子屋さんが独自の工夫を凝らして製造しているため、味や形状や食感も様々あります。
ここでご紹介しているものがすべてではありませんが、一例をご紹介します。
大きさ・形
円形のかりんとう饅頭の場合、大きさはだいたい直径5cm、高さは3cmほどです。
多くの場合はこのような丸い形をしていますが、下の写真のような楕円形もよく見かけます。
こちらは丸ではなく俵型・小判型をしています。
この形も時々見かけます。
味
かりんとうのような色、ザクッとしは歯ごたえの生地の中には餡子(こしあん)がたっぷり入っています。
メーカーによって味は異なりますが、皮は黒糖の風味です。
揚げたてのものは心地よいサクサクした食感ですが、店頭に並んでいるものは時間が経過しており、多くの場合は普通の饅頭のような皮になってしまっています。
下の部分は油分が残っており食感のいいものもありますが、出来たてのものに比べるとやはり大きな差があります。
中身はこしあんだけでなく他の味もあります。
元祖のお店「あくつ屋」のある船引町から車で40分程の郡山市にあるお菓子屋さん「さかい」からは「さくら餡」が販売されていました。
バリエーション
シャトレーゼとの共同開発でセブンイレブンからも発売されましたが、こちらは「ぶつあん」でした。
独自の名前で販売されているものも。
岡山には「こげまん」という名称のかりんとう饅頭がありました。
軽い歯ごたえが心地よいかりんとう饅頭ですが、こちらはソフトタイプを売りにした商品でした。
美味しい食べ方
やはりかりんとう饅頭の魅力の1つはザクっという食感ですが、冷めてしまったものは歯ごたえはほとんどなくなってしまいます。
買ってから翌日以降に食べるとなると普通のお饅頭のような柔らかい皮になってしまっているので、そんな時はオーブントースターで温めなおすと美味しくなります。
目安は1000Wで約2分ほど。オーブントースターから取り出して少し冷ました状態の時がちょうどいいです。
商品によっては説明書などが付属されていますので、そちらの方法を優先させて下さい。
かりんとう饅頭発祥の「あくつ屋」
創業はなんと大正12年という老舗の菓子店。
船引駅から徒歩5分ほどの場所にありました。
お店の情報はこちら
〒963-4312
福島県田村市船引町船引字畑添96-1
営業時間 8:00~19:00
定休日 第1、第3日曜日(代休あり)
0247-82-0223
公式サイト
孤独のグルメで紹介された「谷中福丸饅頭」
「孤独のグルメ」は雑貨輸入商の井之頭五郎が仕事の合間に立ち寄った美味しいお店を描くグルメ漫画。テレビドラマ化もされるなど人気があります。
谷中福丸饅頭が登場したのは「Season1 第11話」で、日暮里駅を降りた五郎さんが商店街を歩いて「かりんとう饅頭」ののぼり(旗)を発見。
お店の中で食べ気に入り、クライアントのお土産に20個購入するという話。
お店の情報はこちら
〒110-0001
東京都台東区谷中3-7-8
営業時間 10:30~18:00
TEL&FAX
03-3823-0709
公式サイト
有名店・おすすめのランキング
1位 谷中福丸饅頭
上の項目でもご紹介した、孤独のグルメで登場したお店です。
テレビに出たからランキング入りしたのではなく、冷めてもザクザクした食感がキープされており、いつ食べても美味しいです。
芋かりんとう饅頭については、黒ゴマの香ばしさとサツマイモの甘みがマッチしていて、かりんとう饅頭とは違った良さがあります。
また、サイズは小さいですが1つ11円の黒糖饅頭もおすすめ。
2位 江戸うさぎ
「妖怪 いちご大福」などで有名な江戸うさぎ。
あまりかりんとう饅頭は注目されていないようですが、注文してから揚げてくれるので出来たてを食べたいかたは是非。
なお日暮里駅挟んで反対側には谷中福丸饅頭があります。
3位 末広庵
沖縄波照間産の黒糖を使用し米油で揚げた一品。
一部の店舗では販売していないので来店前に要確認です。
今回購入したのは川崎にあるラゾーナ店です。
かりんとう饅頭の商標について
元祖であるあくつ屋以外からも「かりんとう饅頭」という名称で販売されているので、調べてみたところやはり商標登録はされていませんでした。
お店の方に確認してみたところ、出願したものの「かりんとう」も「饅頭」もよく使われる名称のため認められなかったのことです。
商標絡みでよくある話ですが、元祖でない会社や個人が商標登録をしてしまうという事態。
おそらく登録は認められないとは思いますが、現在出願中の状態でした。
内容は以下の通り。
出願番号:2016-142930
出願日:平成28年(2016年)12月21日
先願権発生日:平成28年(2016年)12月21日
商標:かりんとう饅頭
称呼:カリントウマンジュー,カリントーマンジュー
氏名又は名称:有限会社末山商会
末山商会という会社は全国にいくつかあるようで、はっきりとはどんな会社か不明ですが、あくつ屋とは無関係であることは確認が取れています。