「シュリンクフレーション」は商品の価格はそのままで、内容量を少なくする事を指す用語です。
同じ意味の言葉としてよく知られているのは「ステルス値上げ」。
例えば、それまで140円だった500mlのペットボトル飲料が、値段は140円のまま内容量が450mlになった場合や、チョコレートなどのお菓子がそれまでは1袋50個入りだったものが40個になった、などが該当します。
英語で縮小の意味がある「shrink」(シュリンク)と、物価が上昇の意味の「inflation」(インフレーション、インフレ)を組み合わせて「shrinkflation」(シュリンクフレーション)となりました。
シュリンクフレーションが最初に提唱されたのは2016年に出版の、アメリカの経済学者ピッパ・マルムグレン著書「Signals」とされています。
最初に触れましたが、日本でよく知られている同じ意味の用語は「ステルス値上げ」で、ときどきツイッターなどのSNSでトレンドワードになるなど、シュリンクフレーションよりもよく使われる言葉になっています。
また、「サイレント値上げ」も同じ意味を持ちますが、こちらは他にも「内容量やサービス内容は変わらず、ユーザーが気づかないうちにいつの間にか値上げしていた状態」という意味も含まれる違いがあります。
以下のようなシュリンクフレーションの使い方や表現があります。
- シュリンクフレーションをそのまま利用してダイエットしようかな
- なんか食べても物足りないと思ったらシュリンクフレーションでかなり減ってた
- シュリンクフレーションが露骨すぎて萎えた
- ここにもシュリンクフレーションの影響が
- いつも買ってたお菓子がシュリンクフレーションされてた
- シュリンクフレーションひどすぎて買う気無くなった
- ごまかしてシュリンクフレーションされるよりは値上げしてほしい
- いろいろな商品がシュリンクフレーションされていく
シュリンクフレーションが行われる要因としては様々あるため一概には言えませんが、物価上昇(インフレーション、インフレ)による原材料の価格高騰であったり、円安・円高の影響、利益率を上げるため、など等が挙げられます。
また、1度であまりに内容量を減らしすぎるなど過度なシュリンクフレーションは商品のイメージが悪くなってしまうため、メーカーや販売元としては数回に分けて少しずつ減らしたり、形状やパッケージなどを変更したりして、なるべく購入者がわからないようにする工夫も見られます。
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シュリンクフレーションの言葉について、一般的にはまだ知られていない状態であり、すでに同意語であるステルス値上げというワードが普及しているため、今後も頻繁に使われる用語になる可能性は低いですが、時々ニュースや経済関連の本などで使われていますし、海外の記事やニュースを見てみると2022年のアメリカの急激なインフレに伴いshrinkflationのワードを見かける機会が増えてきましたので、覚えておいて損はないかと思います。