1999年(平成11年)の日本新語・流行語大賞です。1984年から開始され、この年は第16回に当たります。

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この年より前は調べないとわからないワードが多かったですが、このあたりから見ただけで思い出せるようになってきました(1980年生まれ)。
印象に残っているのはトップテン入賞の「だんご3兄弟」。行くとこ行くとこで耳にしました。

「癒し」はこれまであまり使われてない言葉だった記憶がありますが、これ以降はもう普通に使われる言葉としてしっかり定着していますね。

そして「iモード」。端末(携帯電話)の画面は白黒で小さく通信速度は数kbほどだったと思いますが、2016年現在での携帯電話は画面はフルカラーで大型、タッチパネルに音はステレオ、通信速度は100MB越えという、このものすごいスピードで進化しているのは興味深いですね。

公式サイトの発表はこちら「1999年の日本新語・流行語大賞」です。

1999年の日本新語・流行語大賞

1999 大賞

雑草魂 読売ジャイアンツのピッチャー・上原浩治さんを表現した言葉。高校時代は控えの投手で甲子園にも出場していない上原浩治でしたが、プロの世界で大活躍したことからマスコミがこう呼ぶようになりました。
雑草魂の意味はエリートであったり高学歴なと華やかな経歴を持っているわけではない人が、這い上がって一流になるような努力や根性を表現する言葉。
綺麗な花は水を与えられ丁寧に育て上げられるのに対し、植物が育つ環境が悪くても枯れずに力強く育つ雑草の姿に例えた言葉。
同じくプロ野球でこの年活躍した松坂大輔さんが甲子園で活躍し華々しくデビューしておりその対比としても注目されました。
受賞者は上原浩治さん。
ブッチホン 当時内閣総理大臣の小渕恵三さんが著名人や一般の人にかける電話のこと。予告などもなく突然かけ、首相にも関わらずフランクに対応してくれるため、受けた人達は本物なのか戸惑いながら対応してしまう人も。
小渕さんの「渕」と、電話の「フォン」を組み合わせた造語。
ブッチホンを受けた人の一例として小室哲哉さん(沖縄サミットのテーマソング作曲を依頼)、山瀬まみさん(テレビ番組で小渕さんに言及したことから)、ズームイン!!朝!(番組中に突然)など。
なお1990年の流行語に「ブッシュホン」という用語がありますが、こちらは当時アメリカ大統領のブッシュさんから海部への電話の事。
受賞者は小渕恵三さん。
リベンジ この年プロ野球の西武ライオンズに入団し大活躍した松坂大輔さんが発言した言葉。4月21日の対ロッテ戦で黒木知宏さんと投げ合い0-2で敗北し「リベンジします」と宣言。4月27日には1-0で勝利しリベンジを果たしました。リベンジは「雪辱する」(負けた相手に)「復讐する」などの意味として使われる用語。受賞者は松坂大輔さん。

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1999 トップテン入賞

学校(級)崩壊 生徒である子供たちが教師の言う事を聞かず、教室で勝手な行動をしてしまうことで授業が成立しなかったり、集団行動ができない生徒により学校の機能が成立しない状態を意味する言葉。後述する著書のショッキングなネーミングと内容ははマスコミでも取り上げられ話題に。
2月に発売した河上亮一さんの著書「学級崩壊」では教育の変化で子供の質も変わってしまったことが描かれ、朝日新聞社会部が著者となっている4月発売「学級崩壊」では前述したような荒れた学校の様子を取材した内容となっています。
受賞者は著者でプロ教師の会<埼玉教育塾>主宰の河上亮一さん。
カリスマ 流行の発信地になった渋谷、その中でも渋谷109は「エゴイスト」「ココルル」「ミジェーン」「ジャッシー」などの人気ブランド店がひしめくギャルファッションの聖地ともいわれ、そこで働くショップ店員はファッションリーダーとなり若い女性に絶大な影響を与え「カリスマ店員」と呼ばれるようになりました。
「カリスマ店員」の着る服が飛ぶように売れるなどの現象も見られ、売り上げにも大きな影響を与える存在に。
その後ショップ店員だけでなく「カリスマ美容師」「カリスマホスト」等の呼称も登場するなど、各業界に影響のある人物を「カリスマ」と表現するようになりました。
なお「カリスマ」はギリシャ語で超自然的とか常人を超える資質、強い影響力を持つ人や人を惹きつける魅力のある人を意味する言葉で「カリスマ性がある」のように使います。
受賞者はファッションショップ「Egoist」店員の中根麗子さん他。
ミッチー・サッチー ミッチーこと浅香光代さんと、サッチーこと野村沙知代さんの批判合戦・騒動の事。
3月31日のラジオで浅香さんが野村さんを批判し、これにマスコミが食いつくと騒動は大きくなり、渡部絵美さんさん、十勝花子さん、神田うのさん、デヴィ夫人他多くの有名人やタレントが参戦、テレビ局や視聴者まで巻き込み連日報道されるような状態に。多くが野村さんの悪行や疑惑などを批判する内容で、一方的にバッシングされる展開となりました。
受賞者は女剣劇・女優の浅香光代さん。
西暦2000年問題 古くから使われている多くのコンピュータでは容量節約のために西暦を下2桁で書書いており、これが2000年になった際に1900年と混同して誤作動と起こすのではないかという問題。「Y2K問題」(わいつーけーもんだい)やミレニアム・バグとの別名もあります。
テレビCMでこの問題を企業に呼びかけたり、金融機関においては政府も一体となって対策が行われました。
また2000年は400年に一度の特別なうるう年(1700・1800・1900年は閏年ではなく2000年だけ)があり、こちらの対策も問題になっていました。
受賞者は2000年対策として「非常用品」を売り出した東急ハンズ、その新宿店の井谷厚さん。
だんご3兄弟 1999年1月にNHK教育テレビ「おかあさんといっしょ」の中で「今月の歌」として発表された曲で、タンゴ調のキレのよいメロディーとポップな歌詞が受け子供の間で人気が広まります。
だんご3兄弟を歌っているのは当時の「うたのおにいさん」速水けんたろうさんと、「うたのおねえさん」の茂森あゆみさん。
その後3月3日に待望のCDが発売されると発売日3日目で出荷枚数250万枚を超える爆発的な大ヒット。1999年オリコン年間シングルチャート1位、第41回日本レコード大賞特別賞、日本ゴールドディスク大賞など数々の賞を受賞しました。
受賞者はNHK「おかあさんといっしょ」ディレクターの古屋光昭他さん。
癒し 坂本龍一が発表した楽曲「ウラBTTB」がリゲインEB錠のCM曲として流れ、癒し音楽として大ヒット。オムニバスアルバムの「feel」や「image」などの癒しの音楽(ヒーリングミュージック)を集めたCDも次々とヒットするなど「癒し系」ブームとなりました。
「癒し」の意味は安心感を与えたり、穏やかな感情にするもの、心理的に疲れを和らげてくれること、またはその存在などを意味します。英語では「ヒーリング」(healing)が当てはまります。
その後「癒し系(アイドル)」という言葉も生まれます。缶コーヒー「ジョージア」のCMで男性の心を和ませる演技をしていた優香さんがこう呼ばれるようになりました。
それまで一般的にはあまり使われていなかった「癒し」という言葉がこれ以降頻繁に使われるようになりました。
受賞者は自然体験を通して癒しを与えたとする「南紀熊野体験博」が行われた和歌山県の知事・西口勇さん。
iモード NTTドコモの携帯電話(フィーチャー・フォン)で行えるメール送受信やウェブに接続してページを閲覧できるサービス。携帯電話でのウェブサイト閲覧が行えるサービスは世界初となる機能でした。
当時はiMacのヒットなどもあり、インターネット(internet)や「インフォメーション」(information)の意味を持つ「i」を名称に付けるサービスが流行していた背景があります。
受賞者はNTT移動通信網の代表取締役・立川敬二さん。

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