金柑を生で食べた後に、唇やその周りが痺れたり麻痺しているような感覚になる場合があります。
少ない量(3個位から)だと弱めの痺れで、量が多くなればなるほど症状が酷くなります。
食べ終わってからだいたい5~10分くらい経過してからしびれ始め、20~30分くらい続いて自然と消えていくことが多い(個人差や食べた量、食べた品種によって異なります)ですが、これはなぜでしょうか。
この原因は皮に含まれる「テレビン」と呼ばれる揮発性の油(テレビン油)によるもので、その主成分「デルタ-3-カレン」などが要因になっています。
知らずに食べた後には突然の痺れで、しかも食べてから数分の時間差後に発生するので、食中毒や農薬などの毒素による痺れなのではないかとか、アレルギー反応なのではないかとびっくりしそうですが、テレビンは金柑に限らず柑橘系の皮には含まれており、大量摂取しなければ無毒といえるものです。
麻婆豆腐など山椒を使った四川料理を食べた時にも痺れますが、痺れ方がそれに似ていると感じました。
なおテレビン油は、油絵具の薄め液・画用液などに利用されています。
このテレビンについて、ネットの情報で開花日から210日以上経過した金柑はテレビンが消え、痺れは起きないとの情報がありました。
しかし、開花日から210日以上樹上で経過させ完熟した状態で出荷される宮崎県のブランド金柑「たまたま」を食べて確かに痺れました。
宮崎空港で購入したものが偶然ハズレだった可能性もあるので、念のため別のパッケージのたまたまも成城石井で購入し試してみましたがそれでも痺れました。
さらにたまたまの上位ブランド「たまたま エクセレント」もお取り寄せして食べてみましたが、やはり痺れました。
なのでネット上で「210日経過した金柑果実はテレピンが消える」という情報は誤りの可能性が高いです。
もしかしたらこのたまたまの出荷基準の1つである完熟の目安「210日」が回り回って「完熟したら痺れない」という情報になってしまったのかもしれません。
少なくとも「210日経過で消える」ことはない事は確実です。
もしかしたら追熟させたり、生育環境によっては消えたりするのかもしれませんが、確認はできませんでしたので、何か情報入りましたらここでお伝えします。
日干しした四季柑(カラマンシー)の皮を食べたら舌が痺れました。
日向夏の皮でマーマレワドを作ったらピリピリ感がありましたが3日ほどで消えておいさくなりました。テレピンか蒸発したのでしょうね。