「Uターン現象」は、地方から都市に移り住み再び地方に戻る事です。
これと一緒に使われる事が多いのが「Jターン現象」で、こちらは地元の地方都市から大都市に移り住んだ後、地元近くの中規模な都市に移り住む事を指します。

Uターンの方は完全に地元に戻るのに対し、Jターンは地元ではない点が異なります。

「現象」を省いて単に「Uターン」「Jターン」と言われる場面も多く見られます。

このような人の流れについての現象を総称して「人口還流現象」(じんこうかんりゅうげんしょう)と呼び、上記のUとJの他にも「Iターン現象」「Oターン現象」などもよく目にする用語になっています。

「Iターン現象」は、地元(出身地)とは別の都市に移り住む事で、主に都会から田舎への移住を指す事が多いようですが、逆の田舎から都会への移住も含む用語です。
「Oターン現象」は、Uターンで地元に戻った人が再び都市に移住する事です。
Oターンを除くこれら3つの現象は「UJIターン現象」(ゆーじぇいあいげんしょう)とも呼ばれます。

語源となっているのは、進行方向を180度変えて正反対に進む事を表現する言葉「Uターン」で、それに地図上で人の移動を線でなぞった時に、それぞれのアルファベットのような形になる事が名称の由来になっています。

Uターンから派生した用語としてはUターン現象以外にも、年末年始やゴールデンウィークなどの大型連休を使い地元の地方都市に帰省した人たちが都市圏に戻る際に発生する「Uターンラッシュ」等があります。

下記では、それぞれの用語の意味をさらに詳しく見ていきます。
上で紹介している4つの現象の他にも新しい名称が作られていますので、あわせてご紹介しています。

地方出身者が大都市へ移住し、その後地元(生まれ故郷)に戻る事。
読み方はそのまま「ゆーたーんげんしょう」。

Uターンする理由としては、両親と暮らしたいとか交友関係があるから、自然環境が好き、都会が苦手、土地の安い地元ならマイホームが建てられる、など等様々な理由が挙げられます。

Uターン現象が見られた最も顕著な事例としては、日本の高度成長期に当たる1954年(昭和29年)から約19年の間、地方都市の人口流出が続いていましたが、1975年から1985年ころには逆に増加が見られ、これがUターン現象によるものと考えられています。

何かをきっかけにUターンした場合は、それを名称にする場合もあります。
就職を期に地元に戻る場合は「Uターン就職」、転職は「Uターン転職」、結婚の場合は「Uターン婚」などです。
これはUターンだけに限らず、下記で紹介しているJターンなどもこういう言い方をします。

以下、Uターン現象の事例です。

  • 福島県出身者が就職で東京に移住し、その後福島県に戻って就職
  • 地元宮崎県から大学進学のため福岡県に引越し、卒業後はそのまま福岡の会社に就職。独立を期に再び宮崎県に戻り会社を立ち上げ

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地方出身者が大都市へ移住し、その後地元(生まれ故郷)近くの小中核都市に移住する事。
読み方は「じぇいたーんげんしょう」。

Jターンする理由としては、生まれ育った地域では仕事が少なかったり、戻る気になればすぐ実家に戻れる、地元の交友官憲を継続できるなど等の理由が挙げられます。

最終移住地は、同じ県内の違う市など地元にほど近い場合のみを指す場合もあるようです。

以下、Jターン現象の例です。

  • 神奈川県小田原市が地元で、東京に就職で移住。その後横浜市で就職
  • 地元の淡路島から就職のため大阪に引越し、その後神戸市の会社に転職し移り住む

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生まれ育った地元から離れ、別の地域に移住すること。
読み方は「あいたーんげんしょう」。

Uターンにならって出来た用語のため、Iターンとは言いますが「ターン」していません。
田舎から都会への移住のみを指す場合もあるようです。

地元を離れたい、都会に住みたい、田舎に住みたい、故郷を離れて別の価値観を持ちたい、をなど等の理由が挙げられます。

以下、Iターン現象の例です。

  • 群馬県が地元で、東京の会社に就職のため移住
  • 地元の東京から大学進学のため長野県へ、卒業後は大学近くの企業に就職

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地方出身者が大都市へ移住し、その後地元(生まれ故郷)に戻り、再び大都市へ移住すること。
読み方は「おーたーんげんしょう」。

簡単に言うとUターンしてまた都市部へ行くという現象です。
地元と都市の移住を1回サイクルするだけでなく、任意の期間で行き来を繰り返す事を言う場合もあります。

都会の便利な生活がいい、田舎も都会も両方とも捨てがたい、など等の理由が挙げられます。

以下、Oターン現象の例です。

  • 秋田県が地元で、東京に就職で移住。その後秋田県に戻って就職するが、再び東京へ移住
  • 地元の鹿児島県から専門学校への進学で福岡県へ。卒業と同時に鹿児島の会社へ就職。その後福岡県の会社に転職

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近年は様々な働き方やライフスタイルが生まれてきているため、上記以外にも用語があります。
もはや「ターン」の言葉は関係なくなってますね。

Nターン
自分や家族にあった場所や仕事を求めて、様々な地域へ移住しながら生活するスタイルの事。
Sターン
経営を学ぶのはここ、技術を学ぶのはここ、経験をつむのはここ、というように起業・開業するに当たり、それぞれの過程にあった地域を移動しながら最終地を目指すスタイル。
Xターン
地元や住み慣れた地域を拠点とし、国内外問わず様々な場所に移動したり移住したり、時には拠点を移しながら生活するスタイル。フリーランスなどPCとネットで仕事をする人達に向いています。
Cターン
同名の映画が元ネタとなっている用語。CはChild(チャイルド)のCで子育てのためによりよい地域に移住する事。

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