「あいみつ」とは『相見積』(あいみつもり)の略で、複数の業者から見積書を取る・提出してもらう事を意味する用語です。
あいみつを取る」のように使われます。なお相見積は「合見積」の表記も時々見られます。

会社・組織・企業・団体などで、何かを購入したり工事や仕事を発注する際など、ビジネスシーンで使われる事が多いですが、個人でも複数の業者に見積を依頼すれば相見積となります。

あいみつの主な目的としては、最も良い条件で契約できる発注先を選択する事です。
1社だけから見積もりを取っても、その価格や内容が妥当なものなのか判断できないため、あいみつを行う事で相場を知ることにもなります。

以下はほんの一例ですが、あいみつの対象となりそうな業種を挙げました。
この他にも数限りなくありそうです。

  • リフォーム
  • 自動車の修理
  • ウェブサイト制作
  • アプリ開発
  • コンサルティング
  • 引越し業者
  • 清掃業者
  • 貸切バス
  • 警備会社
  • 税理士

国や地方自治体などの公的機関が行っている公共工事で、複数の業者による「競争入札」が行われていますが、それに似た形式と言えるかと思います。

なお、デザインであったり制作やイベント企画など、単純に金額だけでの判断が出来ないような場面ではコンペ(Competition)の形式にしたり、随意契約が行われたりします。

また、見積もり書の提出を依頼した複数の業者同士で、実は発注者の知らない裏でこっそりと見積もり価格について話し合い、提示する価格を操作する行為は「談合」に当たります。

下記では、さらにあいみつの注意点やルールなどを詳しくみていきましょう。

相見積の注意点
同じサービス内容や既成の商品を比べるなら金額だけの比較になるのでメリットはあってもデメリットは見当たりません。
しかし業者によって施策内容が違う場合は単純に金額だけでの比較は出来ない場合があります。

例えば家のリフォームなどは、何も考えずにただ安い見積書を出してきた業者を選んでしまうと、提示してきた施行内容が違っていたり品質や安全面が弱い等、様々なリスクが考えられます。

見積もりの際に提出された計画書だったり設計図などの資料を比較したり、その業者の得意分野(デザインが得意、キッチンの増築が得意など)や特徴も理解した上で判断するとより適切な判断が出せますが、それなりの知識を情報収集が必要なため、素人判断だと相見積もりを十分に生かせないだけでなく、ただの安物買いになってしまう可能性があります。

また、ポイントサービスなどがある場合は、付与されるポイントも計算しての上で他の見積もりと比較する必要がありますし、ボリュームディスカウントなどもあればそれも考慮しての検討が必要になります。

相見積をする際のルールとマナーについて
他の会社にも見積もりを依頼している事自体を知るとよく思われない場合があり、他社からの見積書に書かれた金額を提示に料金交渉したり、期限や内容の変更をせまるなどは避けたほうが無難です。
あいみつ自体は悪い事でもありませんし、経費を安くしたり条件のいい会社と取引するのは当たり前なんですが、相手方からすると手間と時間をかけて見積書を作成しているため快く思わないわけです。

中には価格の比較も問題なく受けて立ってくれる業者さんもいるようですので、なんとも判断が難しいところではあります。

下記で説明している「あいみつ」「すてみつ」については、好き好んで受ける業者はまずいませんし、わかっていたら見積もり提出を拒否される可能性もありますので、やるとしても相手業者さんにわからないようにする配慮が必要になりそうです。

また、他社を選んだ場合はその旨を伝える連絡はした方がいいでしょう。面倒であれば○○日までに依頼がなければ・・・のように期限を伝えておくといいかと思います。

「あてみつ」「すてみつ」について
社長同士が知り合いだったり、昔からの付き合いがある会社同士などで、もうすでに発注する業者が決定している上で、他の業者に見積もりを依頼する場合があります。

理由としては、依頼決定済みの業者から提示された金額が適正であるかどうかの判断をするためです。

この場合、これから見積もりを出す業者はたとえどんな内容を出しても選ばれる事はないばかりか、見積もりの作業時間が完全に無駄になってしまっています。

このように発注者側が比較検討の対象にしていない見積もりの事を、当て馬的な見積もりのため「あてみつ」とか、採用されない捨てる見積もりのため「すてみつ」といいます。

ネットでの相見積サービスについて
ネットを使った「あいみつ」のサービスは多数あります。
一番よく見かけるのは、生命保険や自動車保険などの各種保険の見積もりでしょうか。

1つのサイト上で、そのサイトと提携している多数の保険会社の見積もりを同時に出せる仕組みです。

このようなビジネスモデルは、以下で紹介しているサイトのように他の業種でも見られ、ネットをしている方にとっては案外身近な存在といえるかと思います。
よく「比較サイト」とか「一括見積もりサイト」などのような名称で運営されているのを見ます。