業務スーパーで販売されているハチミツが非常に安かったため、パッケージ裏の原材料表記を見てみると「ビテックスはちみつ」という聞き慣れない名前が。
普通の蜂蜜とどう違うののか気になったため購入し調べました。
結論からいうと「ビテックスはちみつ」は「セイヨウニンジンボク」(西洋人参木)という植物の花を使った蜂蜜のことです。
セイヨウニンジンボクの学名が「Vitex agnus-castus」で、ビテックスやバイテックスと発音します。
あまりに安すぎるためか、何か蜂蜜の偽物なのではないかとか、蜂蜜模倣品なのではないかという声をネットの質問掲示板やQ&Aサイト等で見かけましたが、そういう事ではなくビテックスの花からミツバチが作った蜂蜜の事であり、パッケージにある「純粋はちみつ」の表記も間違いではありません。
気になる味についてですが、食べ比べるとすぐにわかるレベルで違いがあり、ビテックスは蜂蜜の香りが非常に薄く、蜂蜜シロップという印象。
甘みをつけるために使うのであれば問題ないかと思いますが、蜂蜜の香りを出すような、例えばカステラなどには使わないほうがいいかと思います。
ただ、近年の蜂蜜高騰で1kg1000円弱かそれを超える価格も珍しく無い中で、2021年9月に購入した時点ですが税込430円と、この値段は非常に魅力的。
用途に合わせて使い分けるなどして利用すると良さそうです。
上の写真にある左の蜂蜜は一般的によく販売されている、レンゲや菜の花など様々な花から作られたいわゆる百花蜜の蜂蜜で、右が業務スーパーで購入したビテックスはちみつです。
色については花の蜜に影響されるため、色の濃さや薄さで美味しさを判断することは出来ませんので、あくまでよく見かける蜂蜜との色だけの比較になります。
以下では味や香りなどの違いをさらに詳しくと、パッケージにある栄養成分と原材料の表記を比べていきます。
普通の蜂蜜との違い
上にも書きましたが蜂蜜自体の色については花の蜜に影響されるので、味の濃さ薄さなどには関係ないためあくまで色だけの比較です。
粘度を見るため同じ量の蜂蜜をたらして皿を傾けてみたところ、意外にもややビテックスの方が粘度が高めでした。
匂いについては蓋を開けた瞬間からわかり、一般的な蜂蜜はあの独特の甘い香りが広がるのに対し、明らかにビテックスはちみつはかなり薄く、それは風味や味にも通じていました。
口に入れた瞬間からガツンくる強い香りのある普通の蜂蜜に比べて、ビテックスはシロップのような甘い蜜の香りの後に蜂蜜の風味を感じる程度でした。
蜂蜜の香りを効かせた料理などには利用できなさそうですが、ヨーグルトにかけたり甘さを足したい時だけに利用するのであれば問題なく美味しく食べられるかと思います。
栄養成分
栄養成分 | 一般的な蜂蜜 | ビテックス蜂蜜 |
---|---|---|
エネルギー | 303kcal | 303kcal |
たんぱく質 | 0.3g | 0.3g |
脂質 | 0g | 0g |
炭水化物 | 81.9g | 81.9g |
食塩相当量 | 0g | 0g |
香り成分や諸々の成分の違いはありそうですが、栄養成分については全く一緒でした。
原材料
一般的な蜂蜜 | ビテックス蜂蜜 |
---|---|
はちみつ(ミャンマー) | 菜の花はちみつ(中国)、ビテックスはちみつ(中国) |
よくスーパーなどで見かけるハチミツだと「はちみつ」のみの表記が多いですが、業スーは花の名前まで書かれており「菜の花」と「ビテックス」でした。
セイヨウニンジンボクについて
ビテックス蜂蜜の元となっている植物のビテックス(セイヨウニンジンボク)は、あまり多くはありませんが公園の園路などで見かける事もある、藤の花のように花茎が長く小さい花が多数ついた紫の植物で、国内でよく見かけるハマゴウと同じ属。
海外では古くからハーブとしてや、生理痛の薬として利用されており、近年では月経前症候群 (PMS)にも使われはじめています。
家庭で栽培する事も出来る植物で、花は初夏にかけて咲き始め、花は観賞用に生花として楽しんだりブーケにも出来ます。
大きな木に育てる事もでき、英語では「チェストツリー」(Chaste Tree)、実は「チェストベリー」(Chasteberry)と呼ばれます。
栄養成分値が変わらずに、安価に手に入るのはありがたい。
安心して使用します。紅茶やパンに、ありがとうございました
有難うございます
安心しました。
セイヨウニンジンボクを小学校の保健室前/花壇に植えつけた事を思い出しました。植物の薬効も含め選んでました。忘れとった。
記事/ビテックスはちみつ→記事/米袋の運び方と読みました。両方ともおそらくクダラナイけど私にとっては重要な解説、非常にありがたい。頼みにしております。お続けお願いします。