2010年(平成22年)の日本新語・流行語大賞です。1984年から開始され、この年は第27回に当たります。

前年・翌年と、すべての年の流行語についてはこちらをご覧ください。

2010年に起きた主な出来事は以下の通りです。
流行語が生まれた時代背景として参照ください。

  • 1月 奈良県で平城遷都1300年祭開幕
  • 1月 JAL(日本航空)が会社更生法の適用を申請
  • 2月 バンクーバーオリンピック(冬季)開催
  • 5月 宮崎県で家畜の伝染病「口蹄疫」が流行し東国原英夫知事が非常事態を宣言
  • 6月 鳩山由紀夫内閣が総辞職
  • 6月 菅直人内閣が発足
  • 6月 FIFAワールドカップ 南アフリカ大会が開幕
  • 6月 小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還
  • 9月 尖閣諸島中国漁船衝突事件が発生
  • 12月 NTTドコモが3.5GのLTE「Xi」(クロッシィ)を開始

公式サイトの発表はこちら「2010年の日本新語・流行語大賞」と、「2010年ノミネートワード」です。

2010年の日本新語・流行語大賞

2010年 年間大賞

ゲゲゲの ゲゲゲの鬼太郎や悪魔くんなど数々の人気漫画で知られる水木しげるさんの妻、武良布枝さんの自伝エッセイ「ゲゲゲの女房」が2008年に出版され、2010年には3月からNHK連続テレビ小説で放送が開始されたり映画化もされ人気を博しました。
受賞者は武良布枝さん。

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トップテン

いい質問ですねぇ 「そうだったのか!池上彰の学べるニュース」などのテレビ番組内で、出演者が池上さんに対して質問してきたときに使う言葉。
元NHKニュースキャスター・池上彰さんのニュース解説がとてもわかりやすいと大人気に。
2008年にテレビ朝日系で放送されていた「学べる!!ニュースショー!」でニュース解説を行い丁寧な解説が評判を呼ぶと、番組が終了したものの復活の声が上がり、4月14日からは「そうだったのか!池上彰の学べるニュース」としてレギュラー化しました。
受賞者は池上彰さん(授賞式ではテレビ朝日「池上彰の学べるニュース」プロデューサーの丹羽敦子さんが代理授賞)。
イクメン イクメンは「育児を行うメンズ」の事で、イケてるメンズを意味する「イケメン」を由来として作られた言葉。
これまで日本では女性が産休・出産後に育児休業をとり子育てをする流れが一般的で、男性が育児休業や育児休暇をとるケースは稀だったと言えますが、少子化対策の一環として育児休暇取得率を上げようという国の後押しもありこの言葉が注目されました。
受賞者は「育休宣言」をし話題になったつるの剛士さん。
AKB48 「会いに行けるアイドル」をコンセプトに、チームごとにほぼ毎日秋葉原にある「AKB48劇場」で公演を行うアイドルグループが人気に。秋葉原(akihabara)がグループ名の由来。
1980年代に活躍したアイドルグループ「おニャン子クラブ」も手がけた秋元康さんが総合プロデュースを務めています。
選抜メンバーをファンによる投票「総選挙」で決めるなどの企画も話題になりました。
受賞者はAKB48のみなさん。
女子会 女性だけを集めて飲食店などで食事をしたりお酒を飲みながら話をする会、集会、宴会の事。
男性がいると言い辛い話でも女性だけだと話しやすかったり共感できたりと、日ごろのストレス発散や話を聞いて欲しいときなどにぴったりなことからイベントとして定着しました。
2008年頃からテレビや雑誌で「女子会」の呼称が取り上げられはじめたのが広まるきっかけに。
受賞者は笑笑や白木屋、魚民などの居酒屋を運営しているモンテローザの社長・大神輝博さん(代理受賞・笑笑女子会責任者松本尚さんと女子会のみなさま)。
脱小沢 「脱小沢」の小沢は小沢一郎さんの事で、民主党で最大派閥とされるグループを持つなど政治的に強い影響力を持っている状態でしたが、首相になった菅直人さんの組閣では小沢さんの派閥に属していなかったり、影響を受けづらい人事をとり評価されました。
受賞者については「受賞者辞退」と発表されています。
食べるラー油 これまでの油のみのラー油と違い、揚げたニンニクやたまねぎ、ゴマなどの具材を加えて味を調えた「食べるラー油」が大ヒット。ご飯にかけて食べたり、サラダに入れたりと様々な食べ方が提案されました。
きっかけになったのは2000年に販売をはじめた沖縄の石垣島ラー油、そしてホテルオークラの桃李特製「食べる辣油」、2009年に発売した桃屋の「桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油」(桃ラー)は品薄になる人気商品となり、他社も相次いで参入しました。
受賞者は桃屋社長の小出孝之さん。
ととのいました お笑いコンビ「Wコロン」が行う謎かけ漫才での台詞で、ねづっちさんが「ととのいました!」と宣言してから「○○とかけまして、○○と解きます」と始まり、相方の木曽さんちゅうさんが「その心は」と続け答えを言います。
また、この年行われたお笑いの大会「S-1バトル」で5連勝し殿堂入り。
受賞はWコロン。
~なう 英語で「今」を意味する「now」をひらがなで書き、「学校なう」のように文章や会話の最後に付け加えることで、「今何をしているのか」を表現する言葉。
ツイッターで使われるようになり、他のSNSや掲示板などでも使われるようになりました。
受賞者はソフトバンクの孫社長がツイッターで3番目にフォローし有名になった、IT系のスーパー高校生と呼ばれる梅崎健理さん。
無縁社会 人と人との関係が希薄になり孤立する人が増えている状態を表現した言葉で、NHKのテレビ番組「“無縁社会”ニッポン」が放送されたことで話題になりました。
これまでの日本は家族などの血縁関係以外の地域や社会でも深い人間関係が築かれていましたが、単身世帯の増加、高齢化社会、雇用形態の変化や価値観の多様化など時代の流れと共に変化してきている現状が明らかになり大きな反響がありました。
受賞者はNHKの無縁社会制作チーム。

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2010 特別賞

何か持っていると言われ続けてきました。今日何を持っているのか確信しました…それは仲間です。 11月3日に行われた早慶優勝決定戦、立見席も用意されるなど超満員となった明治神宮野球場でハンカチ王子として注目され、日本ハムから1位指名を受けている投手・斎藤佑樹さんが投げ10-5で勝利。
ヒーローインタビューでは「最後に一つだけ言わせてください。いろんな人から何か持ってると言われ続けてきました。今日、何を持っているのか確信しました。それは、仲間です。こうやってチャンスを回してくれた仲間、応援してくれた仲間、そして慶大という素晴らしいライバルがいてここまで成長させてもらいました」と発言したことから。

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ノミネート

iPad 1月27日に発表され4月から順次世界中で発売が開始された、米Apple社のタブレット型コンピューター。
スマートフォンのiPhoneに続き大きな話題となりました。
「Wi-Fiモデル」と「Wi-Fi + 3Gモデル」に、ストレージは16GB、32G、64GBの3種展開となっています。
(クロス)カップリング パデュー大学特別教授の根岸英一さんと、北海道大学名誉教授の鈴木章さんがノーベル化学賞を受賞、お二方のクロスカップリングと呼ばれる化学反応の研究が評価されての受賞となりました。
3D 立体的に見える映像「3次元映像」のことで、2009年に公開されたデジタル3D映画「アバター」が大ヒット、ハリウッドが本腰をあげて普及に動くなど、この年「3D元年」と呼ばれ3Dの映画が次々と公開されたり、家庭用テレビも発売、関連商品も急増しました。
K-POP 韓国のポピュラー音楽の事で、この年KARAや少女時代などのガールズグループが日本でも活躍しました。
1980年代に日本国内のポピュラーミュージックに「J-POP」と名づけられたのに対し1990年代から「K-POP」が使われだした言葉。
名ばかり高齢者 「高齢者所在不明問題」と呼ばれる問題の事で、戸籍上(公的記録)は存在しているものの、実際には生死が不明であったり居住地の確認が取れないなどの高齢者が多数いることが発覚し社会問題に。
きっかけとなったのは7月29日に発見された111歳の男性が白骨化した状態で発見され、調査の結果戸籍上200歳の人がいたり、住民登録が抹消されていないため年金が不正に受給されているなどの問題も浮上してきました。
家庭内野党 安倍晋三さんの妻である安倍昭恵さんが「家庭内野党」だと公言しており、夫の政策などを公の場で批判するなど「野党」の立場をとっているとのこと。
ガラパゴス(ガラケー) iPhoneやAndroidを搭載したスマートフォンに対し、これまでの日本独自で発展してきた折りたたみケータイなどの携帯電話を「ガラパゴスケータイ」(ガラケー)と呼びました。
他から隔離された環境のため独自の進化や生態系が見られるガラパゴス諸島になぞらえ作られた用語で、携帯電話の分野だけでなく様々な場面で使います。
おサイフケータイや写メなどは日本が開発してきた機能で、スマホが普及する前は海外ではこのような機能は搭載されない機種がほとんどでした。
あまりに日本仕様に作られたため「ガラパゴス化」し、高機能でありながらなかなかグローバル展開する事ができずにスマホの台頭を許す状況となりました。
白戸次郎もよろしく ソフトバンクモバイルのテレビCMに登場する、白い犬(声優:北大路欣也さん)の「お父さん」こと「白戸次郎」が人気に。
「予想外な家族」をコンセプトに、2007年から白戸家シリーズとしてストーリー性のあるCMを続けています。
「白戸次郎もよろしく」はCMのワンフレーズで、選挙に立候補したお父さんに対し、樋口可南子さんが演じるお母さんこと「白戸正子」が言った台詞。お父さんから「も じゃないだろう」とつっこまれます。
生物多様性 10月に愛知県名古屋市で第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)が開催され注目されたワード。
193の国や地域が参加し、生態系が破壊されている危機を共有、生物の多様性を守るために議論を行うための会議。
同会議の通称である「生きもの会議」も同じくノミネートされています。
ダダ漏れ ユーザがネットで生放送を行える「Ustream」でイベントなどに出席してそのままを実況中継で流す、「そらの」こと佐藤綾香さんが「ダダ漏れ女子」と呼ばれ注目されました。
また私生活を垂れ流すように放送する人や、外出の様子を実況する外配信なども増加しました。
どや顔 何かを達成したときや自分の思い通りになった時など、得意げな顔の表情を指す言葉。得意顔。
「どうや!」(どうだ)という意味が由来しています。
昔からこのような顔をする人は多々いますが、この表情を表現する言葉としてぴったりだった事から一気に広まったと考えられます。
なんで一段一段なんだろう バンクーバーオリンピックで4位入賞のモーグル選手・上村愛子さんが試合後のインタビューで語った「なんでこんな一段一段なんだろう」から。
過去のオリンピックでは1998年の長野オリンピック7位にはじまり、ソルトレイクシティオリンピック6位、トリノオリンピック5位、そしてバンクーバーオリンピックで4位と、メダルに一歩届かなかった心情が表れています。
ネトゲ廃人 パソコンのオンラインゲーム、ネットゲーム(ネトゲ)にはまり、正常な社会生活が送れない状態になった人を意味する用語。
1日中引き篭もってネトゲに興じ会社や学校に行かなかったり、ゲーム内の課金により借金をするなど、ネトゲに依存しそれまでのような日常生活に支障をきたすほどの状態になる事例が増え注目されました。
バイクコンシャスライフ 自動車やモーターバイクのように二酸化炭素(CO2)を排出する乗り物ではなく、環境にやさしい「自転車」を意識して使うライフスタイルを指します。
環境問題への関心高まりから注目されたワード。
前年に続き西武池袋本店では「バイクコンシャスライフ2010」というイベントも開催されています。
パウル君 ドイツのオーバーハウゼンにある水族館「シー・ライフ」にいるタコ(マダコ)で、2010 FIFAワールドカップの試合の勝利チームを予言し的中させとして世界的に有名になりました。
占いの方法は、餌の入った容器に国旗を立て先に開けられた方が勝つという判定で、鈍い動きで開ければ接戦で、早い動きなら一方的な試合と、試合展開の解釈もされました。
はやぶさ 2003年5月9日に宇宙科学研究所(ISAS・現JAXA)が打ち上げた小惑星探査機の「はやぶさ」が2010年6月13日に地球に帰還。
世界で初めて地球スイングバイを行ったり、月より遠い場所からのサンプルリターンを成功させるなどが話題になりました。
パワースポット 何か特別なパワーがあったり癒しを与えてくれるとされる場所を指す用語。
日本国内では「出雲大社」「厳島神社」「富士山」などが挙がります(他多数あり)。
パワースポットとして名前が挙がった場所では軒並み観光客や参拝客が増えるなどの現象が見られました。
2006年の流行語にノミネートされた「エハラー」に見られるようなスピリチュアルがブームとなる中で、このパワースポットも注目されました。
フェニックス チリにあるサンホセ鉱山で坑道の崩落事故「コピアポ鉱山落盤事故」が発生し、33名の男性鉱山作業員が地下634mの坑道内に閉じ込められました。
世界中が注目するなか、不死鳥の意味がある「フェニックス」と命名されたカプセルにより全員が救出されました。
この「フェニックスカプセル」は造船会社により製作されたもので、完成後に現地に運ばれ使用されました。
なおこの事件に関連して「33人の奇跡」も流行語ノミネートされています。
ブブゼラ 「ブブゼラ」(Vuvuzela)は南アフリカの楽器で1メートル程の長さがあるラッパの形状をしており、南アフリカでのサッカーの試合で吹き鳴らされます。
南アフリカで開催された2010 FIFAワールドカップでは世界中のサッカーファンがこれを応援に使いました。
非常に大きな音が出るため騒音問題に発展したり、騒音性難聴になる可能性も指摘されるなど。
利用にあたり日本でもテレビや雑誌等で賛否が議論され広く認知されるようになりました。
ホメオパシー 「その病気や症状を起こしうる成分や薬を使って、その病気や症状を治すことができる」という科学的根拠のない民間療法。例えば蜂に刺されたら蜂の弱い毒成分を飲んだり塗ったりすることで人間の免疫力で治るなどのような療法。
2009年10月に山口県山口市で「山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故」が発生し2010年5月に損害賠償訴訟が起こされたのをきっかけにホメオパシーという言葉が注目されました。
テレビや雑誌でも疑惑の目で見られたり、日本学術会議では明確に科学的根拠が否定されるなど、多くは日本ホメオパシー医学協会への批判がされました。
医学界では全く認められていませんが、現代医学に対して懐疑的な層や医学知識や医療機会のない貧困層で一定数信じる者がおり利用しているようです。
もしドラ 2009年12月に発売された岩崎夏海さんの小説「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を略した呼び方。100万部を超えるベストセラーに。
弱小野球部でマネージャーをしている女子高生の川島みなみが、ピーター・ドラッカーの「マネジメント」を読んで意識改革を進め、甲子園を目指して奮闘する内容となっています。
2010年は雑誌「スーパージャンプ」で漫画化されたりオーディオブックの発売、2011年にはNHK総合テレビでテレビアニメ版が全10話で放送されたり、前田敦子さん主演で映画化もされました。
2013年には本と電子書籍版あわせて270万部を突破しています。
もってる 南アフリカで開催された2010 FIFAワールドカップで強豪カメルーンに対し1-0で見事勝利、ゴールを決めた本田圭佑さんは「昨日も誕生日だったので持ってるなということで」と発言。また、11月3日に明治神宮野球場で行われた早慶優勝決定戦の勝利投手のヒーローインタビューで斎藤佑樹さんが「いろんな人から斎藤は何か持ってると言われ続けてきました。今日、何を持っているのか確信しました。それは、仲間です」と発言したことから「持ってる」が注目されました。
流行語特別賞には「何か持っていると言われ続けてきました。今日何を持っているのか確信しました…それは仲間です。」が選ばれています。
モテキ 青年漫画誌の「イブニング」(講談社)で連載されていた久保ミツロウさんの人気漫画「モテキ」がテレビドラマ化されました。
30歳手前の冴えない草食系男子で派遣社員の藤本幸世に急遽訪れた「モテ期」を描く内容となっています。
「モテ期」は異性からモテる時期のこと。
リア充 リア充は「リアル(現実)が充実している人」を指す言葉で、ネット上では大型掲示板の2ちゃんねるで2005~2006年頃から使われ始め、少しずつネット以外にも広まり流行語ノミネートとなりました。
「ネットの世界」に対し「リアルの世界」という意味で「リアル」(現実)と表現しています。
「充実」の定義が人によって異なり、彼氏彼女など異性の恋人がいれば「リア充」とされる場合もあったり、合コンやパーティーやバーベキューなどに多数参加していれば「リア充」となる場合もあります。
ルーピー アメリカの新聞社ワシントン・ポストが4月13日の記事で普天間基地移設問題で迷走している鳩山首相の事を揶揄した表現。
英語で「頭が変な」「愚かな」という意味の「loopy」から由来しています。
日本でもこれが取り上げられテレビや雑誌、ネットなどで話題になりました。
一兵卒 所属する組織や団体の中で等級や身分が低い者、いわゆる下っ端を意味する言葉で、読み方は「いっぺいそつ」。
小沢一郎さん(当時・民主党)が時々自らを例える時に使っており、6月には幹事長の職を引き継ぐため枝野幸男さんと会談を行った後記者団に対し「私自身は一兵卒として当面、参院選の勝利に向け、できる範囲で微力を尽くしたい」と発言。
しかし当時の小沢さんの力は大きく「一兵卒」ではないため、言葉通りの謙虚な姿勢を示したのではなく、新体制とは距離を置くという意味で使われたと言われています。
岡ちゃん、ごめんね 2010 FIFAワールドカップのアジア最終予選での不甲斐ない内容や、強化試合で4連敗するなど、監督の岡田武史さんやサッカー日本代表チームへの非難や批判が相次ぎ、低評価の中で勝負(W杯)に挑むこととなりました。
ところがそれらを吹き飛ばすように決勝トーナメント進出(ベスト16)するなど大活躍し、テレビや雑誌、ネットでは謝罪の意味で「岡ちゃん、ごめんね」という声が聞かれました。
壊し屋 政治家の小沢一郎さんを揶揄した表現で、これまで自由民主党を離れ新生党、新進党、自由党、民主党、国民の生活が第一、生活の党と様々な党を「壊し」てきたことからこの呼び名がつけられました。
なお、この年の流行語で小沢さんに関連するワードとして「脱小沢」がトップテン入賞、「一兵卒」「検察審査会」「剛腕」そして「壊し屋」がノミネートされています。
検察審査会 起訴する権限は検察官のみが持ちますが、不起訴や起訴猶予処分等になった案件が妥当かどうかを民意を反映した上で審査する役割を持つのが「検察審査会」で、無作為に選ばれた11人の日本国民で構成され全国に149か所165会設置されています。
「明石花火大会歩道橋事故」や「JR福知山線脱線事故」、政治家・小沢一郎さんの資金管理団体を巡る「陸山会事件」等について起訴議決されるなどがあり注目されました。
見える化(可視化) 2009年に起きた郵便不正事件(障害者郵便制度悪用事件)において脅迫的な取り調べや証拠偽造等が行われ、(取り調べ等の)可視化が叫ばれ注目された言葉です。
もともとの言葉の意味としてはビジネスの場面などで、売り上げなどの数値であったり出来事、問題点等をを見えるようにし把握・共有させる事で役立てるという内容。
1990年代から使われはじめ、2000年頃からビジネス雑誌などでも頻繁に見かけるようになっています。
・・ぜよ! 坂本龍馬の出身地である高知県の方言(土佐弁)で、「ナメたらいかんぜよ」のように使います。
福山雅治さん主演で1月3日から11月28日まで放送されたNHK大河ドラマ「龍馬伝」の影響で注目されたワード。
剛腕 優れた腕前、強い腕力を意味する「剛腕」のことですが、当時民主党の小沢一郎さんの事を表現した言葉としても使われていました。
西松建設事件をめぐり小沢さんの秘書が逮捕されたり民主党代表の辞任などもあり、その「豪腕」の影響力が薄くなっているのではないかとの報道がされました。
国技を潰す気か 大相撲の横綱・白鵬が大相撲野球賭博問題で揺れる角界に対して「自分たちの手で、国技をつぶす気なのかと思う」発言したことから、多数のスポーツ紙が「国技をつぶす気か」と1面で報道。
テレビでも話題になり、所属する組織に対しての造反とする意見もありましたが、共感・擁護する声もありました。
なお「国技」という国の認定は存在していないため、正確に言うと相撲は国技ではありませんが、実質国技と言えるかと思います。
酷暑 「観測史上最も暑い夏」と言われるほど気温の高い日が続き、酷暑を伝えるニュースが頻繁に伝えられました。
ラニーニャ現象が一因しており、6月中旬から9月中旬まで平年に比べ低い気温の日がほとんどなく、平均気温や熱帯夜の記録を更新する地点が多く見られました。
なお「猛暑日」は2007年に気象庁が導入した用語で、2007流行語トップテンに入賞しています。
最小不幸社会 民主党(現・民進党)の菅直人首相が掲げたビジョンで、第22回参議院議員選挙のマニフェストの1つにもなっています。幸福を大きくするのではなく不幸を小さくするという考えで、例えば年金の積み立てを行っていない人には支給されない、つまり自己責任であるのが現状ですが、これを積み立て関係なく支給するのが最小不幸社会としています。
「後ろ向き」のであるとの批判も多く賛同者は少ない印象です。
山ガール 登山を趣味とする女性で、山スカートなどの服や小物を身に着け、山登り用のファッションも楽しむ女性を指す用語。
以前は女性用の登山用品は少なく、またファッション性を備えたものは少ない状態でしたが、数年前からカラフルでファッショナブルな服が揃ってきた背景があります。
数年前から使われ始め、この年テレビや雑誌で多く取り上げられるようになりました。
終活 「人生の終わりのための活動」の略で、人生の最期を迎えるに当たっての準備や人生の総括を指す用語。
自身の葬儀や墓の準備をしたり、遺言書の作成などが該当します。
2009年8月に週刊朝日で連載されている「現代終活事情」から誕生した言葉。
なおこの年ではノミネートですが2012年には流行語トップテン入賞しています。
生きもの会議 愛知県名古屋市で開催された第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)の通称で「生きもの会議」または「国連地球生きもの会議」と名づけられました。
地球の生態系が崩れており、生物の多様性を守るための会議。
「生物多様性」も同じくノミネートされています。
待機老人 「特別養護老人ホーム」に入所したくても満床であったり老人ホームが不足していて入所が出来ず、待機状態となっている老人のこと。
特別養護老人ホームは65歳以上で介護が必要と認定された方を受け付ける施設で、高齢化により施設の不足が深刻であることがテレビや雑誌で報道され注目されました。
保育所が不足し児童を入所させたくても出来ない「待機児童」が由来となっている用語です。
断捨離 モノへの執着をなくし、不要な物を捨てたり置かない事で身の回りを綺麗にしたりストレスからも開放されるという考え・思想。
やましたひでこさんの著書『新・片づけ術「断捨離」』がベストセラーになり話題になった言葉。
ヨガの行法である「断行」(だんぎょう)、「捨行」(しゃぎょう)、「離行」(りぎょう)が由来となっています。
東京スカイツリー 2011年12月竣工2012年春開業に向け、自立式電波塔として世界一の高さとなる634メートルの「東京スカイツリー」がいよいよ姿を現してきました。
3月にはそれまで日本一だった東京タワーを超える338メートル、9月には対馬オメガ局を超える高さ461メートル、12月には500メートルを超える高さまで建築が進みました。
なお実際の竣工は東日本大震災の影響で2012年2月29日、開業は2012年5月22日となりました。
年金パラサイト 自立せず、親に支給された年金に頼り生活する人達を指す用語。
十分過ぎる程の支給額でない年金で親子が生活するため、貧困状態となったり介護施設に入れないなど深刻な弊害が生まれます。
経済的に余裕のある親と同居して自立しない未婚者を「パラサイト・シングル」と呼びますが、これに由来した言葉。
パラサイトは英語のparasiteで「寄生生物」という意味があります。
買い物難民 過疎化や不採算などの影響でスーパーや商店が撤退・閉店したり、高齢のため行動範囲が狭くなるなどで、食料品や日用品の買い物にも困っている状態を表現した用語。「買物弱者」ともいいます。
2008年頃から注目され始め、解決方法として宅配サービス・移動販売や店への移動手段の提供などの試みられています。
ゴルコン 「ゴルフコンペ」でなく、「ゴルフ」と「合コン」または「婚活」を組み合わせた造語で、新しい合コンのスタイルとして注目されました。
男女でゴルフ場をまわるだけでなく、ゴルフ練習場の打ちっぱなしに行ったり、ゴルフバーなどで話すなども含まれます。
なお「婚活」は2009年の流行語にノミネートされています。
本田△(ほんださんかっけー) 「本田」はサッカー選手の本田圭佑さんの事で、「△」は記号の三角形ですがこれを「さんかっけー」と読み、本田△は「ほんださんかっけー」となります。「本田さんカッコいい」という意味です。
南アフリカで開催された2010 FIFAワールドカップで、4試合にフル出場しパラグアイ戦で強烈なミドルシュートを決めるなど印象に残るプレーをし、同大会で3回の「マン・オブ・ザ・マッチ」に選ばれるなど大活躍。
SNSであったりニコ生やYoutube等でこのワードが多数書き込まれました。
アジェンダ 英語で検討課題や行動計画という意味のあるアジェンダ(agenda)の事で、みんなの党代表の渡辺喜美さんが「みんなの党はアジェンダの党」と発言するなど「アジェンダ」を多用した事で注目されました。
同党では選挙公約であったり政策課題のことを「アジェンダ」と呼んでおり、『「アジェンダ」で日本を変える!』(みんなの党著・渡辺喜美さん編集)という本も出版されています。
33人の奇跡 崩落事故により33名の男性鉱山作業員が地下634mに閉じ込められた「コピアポ鉱山落盤事故」が発生。
食料などを地下に送りながら、69日ぶりに全員が救出されました。
フェニックスというカプセルで救出されましたが、その「フェニックス」も流行語ノミネートされています。
また、2015年には「チリ33人 希望の軌跡」という映画が公開されています。
(W杯)ベスト16 南アフリカで開催された2010 FIFAワールドカップでサッカー日本代表が予選を突破しベスト16に。
日韓で行われた2002 FIFAワールドカップ以来2度目となる好成績となり日本中が大騒ぎとなりました。
アジア最終予選では苦戦が続き低評価の中で挑んだ同大会でしたが、思わぬ偉業に監督の岡田武史さんへの謝罪を込めた「岡ちゃん、ごめんね」も流行語ノミネートされています。
イラ菅/ダメ菅/○○菅 政治家の菅直人さんを揶揄する呼び方で、短気ですぐイライラする性格であることから「イラ菅」、政策などがダメな「ダメ菅」などのように「菅」の前に何かを付けて表現されました。
じっと耐えて我慢する「ダマ菅」などもありました。
2位じゃダメなんですか 民主党が導入した「事業仕分け」で政治家の蓮舫さんが2009年11月13日に次世代スーパーコンピュータ開発の予算について「世界一になる理由は何があるんでしょうか?2位じゃダメなんでしょうか?」と質問し批判されました。
さらに2010年6月には蓮舫さん著「一番じゃなきゃダメですか?」も出版されるなど、長きにわたりこの発言が批判・話題となりました。
なお、「事業仕分け」は2009年の流行語トップテンに入賞しています。

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他の年の流行語について

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