2003年(平成15年)の日本新語・流行語大賞です。1984年から開始され、この年は第20回に当たります。

前年・翌年と、すべての年の流行語についてはこちらをご覧ください。

2003年に起きた主な出来事は以下の通りです。
流行語が生まれた時代背景として参照ください。

  • 北朝鮮が核拡散防止条約脱退(1月)
  • スペースシャトルのコロンビア号空中分解事故(2月)
  • イラク戦争開戦(3月)
  • 中国で新型肺炎SARSが大流行(3月)
  • アメリカでiTunes Music Storeがスタート(4月)
  • パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たちが公開(8月)
  • 歌手のマイケル・ジャクソンさんが性的虐待の容疑で逮捕、2005年に無罪判決(11月)
  • イラク元大統領のサダム・フセインをアメリカ軍が拘束(10月)

公式サイトの発表はこちら「2003年の日本新語・流行語大賞」です。

2003年の日本新語・流行語大賞

2003年 年間大賞

毒まんじゅう この年の自民党総裁選で、橋本派の会長代理・村岡兼造さんが橋本派でなく森派の小泉純一郎さんを支持した事を、野中広務さんが「(村岡氏は)毒まんじゅうを食らったのではないか」と発言。この表現が受け話題に。
「毒まんじゅう」はそのままの意味だと毒の入った饅頭ですが、1990年前半以降に政治の世界で使われるようになった言葉は、見た目はおいしそうで魅力的ですが実際は危険が詰まっている事を意味していて、(本心では支持していないのに)小泉人気に乗っかり、選挙のためだけに行動する事を指しています。
また、賄賂を受け取ることを指す隠語でもあります。
受賞者は野中広務さん。
なんでだろう~ テツこと中本哲也さんと、トモこと石澤 智幸さんのお笑いコンビ「テツandトモ」のギャグで、青ジャージを着たトモがギターを弾き、赤いジャージを着たテツが手をクネクネさせた振り付けでリズミカルに踊りながら、日常の何気ない疑問や話題について「なんでだろ~」と連呼しながら語ります。
フジテレビ系列で放送されていたアニメ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」とタイアップしエンディングテーマとして流れていた「テツANDトモのなんでだろう ~両さんバージョン~」で人気に火がつき、翌日発売の「なんでだろう ~こち亀バージョン~」がヒット。
受賞者はテツandトモ。
マニフェスト 選挙の際に政党や候補者が有権者などの人たちに対し、基本方針や数値目標などを示す文書や演説のことで、「政権公約」「政策宣言」「選挙公約」などとも呼ばれます。
イギリスの総選挙では古くからマニフェストが使われており、日本でも2000年頃から使われ、この年は多くの党や候補者がマニフェストを提示し「マニフェスト選挙」とも例えられました。
受賞者は長年マニフェストの必要性を提唱してきたとされる元三重県知事で早稲田大学教授の北川正恭さん。

目次に戻る

2003年 トップテン

勝ちたいんや! この年リーグ優勝を果たした阪神タイガースの監督・星野仙一さんがシーズン中に多用した言葉で、星野監督をイメージさせるフレーズとしてマスコミでもよく取り上げられました。
それまでの阪神は4シーズン連続最下位という成績からの優勝で、残念ながらダイエーホークス(現・ソフトバンクホークス)に破れ日本一は逃したもののリーグ優勝は実に18年ぶりのという快挙でした。
その際、大阪ミナミの道頓堀川に「道頓堀ダイブ」したファンは5000人とも言われました(その後「道頓堀ダイブ」は事故などが多発した上、水質が極めて悪いという事実がわかったため飛び込むのはかなり危険といえます)。
受賞者は星野仙一さん。
コメ泥棒 この年の冷夏により農作物の価格が高騰し、コシヒカリなどの米やさくらんぼや苺、梨、ぶどう、アスパラガスなど米や果物・野菜の盗難被害が多発。
この年の冷夏は平均気温は例年を大きく下回り、ビールや清涼飲料や夏物商品の売り上げに大きな影響を与えました。
さらにこれまで泥棒の対象外であろうと考えられていた農作物までが盗まれる事態に農業関係者は落胆するとともに防犯対策を迫られる事態に。
この頃社会問題化してきたオレオレ詐欺(現在の名称は「振り込め詐欺」)とともにマスコミに珍妙犯罪として取り上げられました。
受賞者は「該当者なし」。
SARS SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome)のことで日本語で「重症急性呼吸器症候群」と訳されるSARSコロナウイルスによる感染症のこと。
感染者のせきやくしゃみなどの飛沫で感染するとされ、死亡率は約10%前後。
2002年に中国で発生し、トロント、シンガポール、ハノイ、香港、台湾、中国国内の広東省、山西省へと広まりました。
日本国内では発症していませんが、SARS治療を行っていた台湾人医師が観光で日本を訪れ、帰国後にSARSを発症した事が判明。厚生労働省から医師の立ち寄った場所が発表され、それらの施設では消毒が行われるなどの事態が起きました。
受賞者については「該当者なし」。
年収300万円 森永卓郎さんの著書『年収300万円時代を生き抜く経済学 給料半減が現実化する社会で「豊かな」ライフスタイルを確立する!』がベストセラーに。
これまでの「1億総中流」と言われた時代とは違い、転職したり給料が下がったりで年収300万円が当たり前の時代に生き抜く術を説明する本。
受賞者はUFJ総合研究所・社会政策部長の森永卓郎さん。
バカの壁 養老孟司さんの著書「バカの壁」が400万部を超えるベストセラーに。
人は自分の興味が無いことには「バカの壁」を作り情報を聞き入れない。そのため「一生懸命話せばわかってもらえる」というのは通じない、馬鹿には何を言ってもだめで人間同士が理解しあうのは不可能だ。というような内容になっています。
受賞者は養老孟司(ようろうたけし)さん。
ビフォーアフター テレビ朝日系列で放送されている建築系のドキュメンタリー番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」から。
家屋・住宅の問題(構造や間取りや広さなど)で困っている一般家庭の依頼主を「匠」(たくみ)と呼ばれる大工や建築士などがリフォームによって解決する内容で、番組内で使われる「匠」やナレーションの「なんということでしょう!」、「ビフォーアフター」などの言葉が話題に。
ビフォーアフター(Before-After)についてはもともと美容関連で使われていた用語でしたが、番組の影響でリフォームだけでなく様々な分野で用いられる用語になりました。
受賞者は番組ナレーターの加藤みどりさん。
へぇ~ フジテレビ系列で放送されていた「トリビアの泉 ~素晴らしきムダ知識~」という番組からの言葉。
視聴者から寄せられた世の中の雑学を紹介するバラエティ番組で、品評会会長のタモリとゲストの品評会員が「へぇ~」を単位としてそれらを評価します。
「へぇ~」はボタンになっており、押すたびに「へぇ~」と音が出て、1人20へぇ~までボタンが押せ、5人で満点が100へぇ~になる仕組み。
2002年10月7日から2003年3月17日まで深夜番組として放送され高視聴率で評判がよかったことから、この年7月2日からはゴールデンタイムでレギュラー番組となりました。
受賞者は俳優の高橋克実さんと八嶋智人さん。

目次に戻る

他の年の流行語について

ただいま他の年の流行語のリンク作成中です。

目次に戻る