2001年(平成13年)の日本新語・流行語大賞です。1984年から開始され、この年は第18回に当たります。

前年・翌年と、すべての年の流行語についてはこちらをご覧ください。

2001年は21世紀が開始した年です。
この年に起きた主な出来事は以下の通りです。
流行語が生まれた時代背景として参照ください。

  • ウィキペディア英語版開設(1月)
  • ビル・クリントンに代わりジョージ・W・ブッシュがアメリカ合衆国大統領に(1月)
  • コロンビア邦人副社長誘拐事件(2月)
  • 情報公開法が施行(4月)
  • 第87代首相に小泉純一郎さん就任(4月)
  • 附属池田小事件(6月)
  • 明石花火大会歩道橋事故(7月)
  • 歌舞伎町ビル火災(9月)
  • 東京ディズニーシーがオープン(9月)
  • アメリカ同時多発テロ事件(9月)
  • シベリア航空機撃墜事件(10月)
  • アメリカ炭疽菌事件(10月)
  • デジタルオーディオプレーヤーiPodの第1世代が発売(10月)
  • 愛子内親王誕生(12月)

次にこの年の流行語で印象に残るワードを挙げてみます。
まずは年間大賞の「小泉語録」。
発言や行動の1つ1つが注目され話題になっていた当時の小泉さんの人気が伺えます。

トップテンからは「塩爺」。
その見た目と愛称が本当によくマッチしていて、うまいこと考えるなぁと思っていました。

そして「DV」(ドメスティック バイオレンス)。
現在でも増加傾向にあるようですが、大切な人に暴力を振るうという思考がまったく理解出来ません。

公式サイトの発表はこちら「2001年の日本新語・流行語大賞」です。

2001年の日本新語・流行語大賞

年間大賞

米百俵、聖域なき改革、恐れず怯まず捉われず、骨太の方針、ワイドショー内閣、改革の「痛み」 小泉純一郎首相の発言から話題になった言葉で、高い支持率を背景にこれらのわかりやすい例えやキャッチフレーズはマスコミにも頻繁に取り上げられ話題になりました。
「米百俵」は今は辛抱し将来的に利益となる意味。
「聖域なき改革」は小泉さんが掲げる経済政策スローガン「聖域なき構造改革」のこと。
「恐れず怯まず捉われず」は改革への反対や抵抗に対しての言葉。
「骨太の方針」は聖域なき構造改革を実施すための決議。
「ワイドショー内閣」は小泉さんの人気が高く、発言や行動が常にワイドショーに取り上げられていた状態だったことから。
「改革の痛み」は構造改革による一時的な低成長は「痛み」を伴うと表現したことから。
これらは「小泉語録」とも呼ばれました。
受賞者は内閣総理大臣の小泉純一郎さん。

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トップテン

「明日があるさ」 1963年に発売された坂本九さんの「明日があるさ」がウルフルズにカバーされ、コカ・コーラ社が販売する缶コーヒー「ジョージア」で採用、ストーリー形式のCMとともに人気を博しヒット曲に。
その後CMに出演するダウンタウンや藤井隆さん、ココリコなどの吉本芸人で結成された11名のユニット「Re:Japan」とウルフルズとのコラボレーションでNHK紅白歌合戦に出場。
CMでの役柄を引き継ぐ形で日本テレビ系のドラマ「明日があるさ」が放送されたり(翌年にもスペシャル版放送)、2002年には「明日があるさ THE MOVIE」で映画化もされました。
受賞者はRe:Japan。
e‐ポリティックス インターネットを利用した政治活動の事。6月14日に創刊の小泉純一郎首相のメルマガ「小泉内閣メールマガジン」が78万部を発行、最盛期には225万人以上となるなど、インターネットが政治においても重要なツールであると認知され注目されたワード。
「politics」は政治や政治学、駆け引きや政略などの意味で、ハイフンなしの「eポリティックス」や、大文字の「E-ポリティックス」などの表記も見かけます。
日本の政治家はインターネットでの政治活動が公職選挙法により規制されていますが、2013年(平成25年)に規制が緩和されるなど今後もインターネットと政治は切っても切れない関係になると思われます。
受賞者は千葉県知事選で市民グループがインターネットを活用し、無党派である堂本暁子さんの支持を訴え当選したことから、市民団体代表の天野外支子さん。
狂牛病 9月10日に千葉県でBSEの疑いがある牛が発見、全頭検査などが行われ北海道でも確認されました。変異型クロイツフェルト・ヤコブ病として人への感染例もあることから、牛肉を扱う店舗、外食産業に大きな打撃を与え社会問題になりました。
狂牛病(きょうぎゅうびょう)は1986年頃イギリスで発生が確認された、牛の脳をスポンジ(海綿)のような空洞にしてしまう病気で、痙攣して立ち上がれなくなってしまう恐ろしい姿からこの名称がつけられました。牛海綿状脳症や、英語でBSE(Bovine Spongiform Encephalopathy)ともいいます。
受賞者は店頭で「お願い 助けて下さい」の張り紙をして話題になったペッパーフードサービス、その代表の一瀬邦夫さん。
塩爺(しおじい) 当時財務大臣をつとめた塩川正十郎さんの愛称。この愛称が広まると共に発言や行動が取り上げられ、テレビ番組への出演なども増えました。
「FORZA!塩爺!」というサイトがブレイクのきっかけとされます。Forza(フォルツァ)はイタリア語で「頑張れ」の意味。
受賞者は財務大臣の塩川正十郎さん。
ショー・ザ・フラッグ アメリカ同時多発テロ事件の報復としてタリバンなどへ軍事行動を起こそうとする際にアーミテージ国務副長官が柳井駐米大使に言ったとされる言葉。
「ショー・ザ・フラッグ」の解釈として当初「フラッグ(日の丸)を見せろ」と言う意味で、軍事行動に参加を促す発言と報道されたものの、後に「旗幟(きし)を鮮明にせよ」という意味で、日本の立場を明確に示せという意味であったとの解釈が正しいとする報道がされました。この解釈を巡り国会でも取り沙汰されました。
受賞者については「該当する受賞者なし」。
生物兵器(BC兵器) ウィルスや細菌を使った、人間などの生物に対しての兵器。日本では1995年に地下鉄サリン事件で生物兵器の「サリン」が使われた事件がありました。
この年アメリカ合衆国でテレビ局や議員に対して炭疽菌の入った容器が送りつけられ、5人が死亡し17人が負傷した「アメリカ炭疽菌事件」が発生しこのワードが注目されました。
アメリカ同時多発テロ事件のわずか7日後に起きたこの事件は世界を震撼させました。
受賞者は毒ガスの専門家とされる神奈川大学教授の常石敬一さん。
抵抗勢力 内閣総理大臣の小泉純一郎さんが推し進める「聖域なき構造改革」抵抗する勢力のことで、自民党内の議員はじめ野党や郵政関連であったりメディアなどをまとめてこう呼んでいます。
小泉さんの「改革に抵抗する勢力。」「私の内閣の方針に反対する勢力、これは全て抵抗勢力であります。」などの発言から
受賞者については「受賞候補者が全員辞退のため、受賞者なし」。
ドメスティック・バイオレンス(DV) 夫婦や恋人など近親者間で起こる暴力、家庭内暴力を意味する言葉。
ドメスティック(domestic)は英語で「家庭の」「所帯の」、バイオレンス(violence)は「暴力」「乱暴」の意味があります。
10月より「DV防止法」と呼ばれる「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が施行され注目されました。
これまでは親しい関係者同士の暴力は民事不介入が原則であり、問題が発生しても刑事介入される事も稀で、被害者が泣き寝入りする事が非常に多い状態でした。
受賞者はDV調査研究会(代表・吉浜美恵子さん)。
ブロードバンド ブロードバンドと呼ばれるインターネット接続方式で、これまで利用されていた「ISDN」や「ダイヤルアップ接続」と呼ばれるものより大容量のデータを伝達することが可能になっています。
「光ファイバー」(光回線)や「ADSL」などがブロードバンドに属します。
なおブロードバンドの定義は米国連邦通信委員会が決めており、2015年1月からは「下り25Mbps/上り3Mbps」ですが、時代とともに変更しています。
受賞者はソフトバンク株式会社代表の孫正義さん。
「ヤだねったら、ヤだね」 演歌歌手の氷川きよしさんのデビューシングル「箱根八里の半次郎」が大ヒットし、その中のインパクトある歌詞「やだねったらやだね」が話題になりました。
CDの発売は2000年2月2日で、歌だけでなくこれまでの演歌歌手にいなかったイケメンの氷川きよしさん自身も注目され、じわじわと人気に火がつきブレイク。
2000年の第42回日本レコード大賞と最優秀新人賞を受賞しています。
受賞者は氷川きよしさん。

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2001 語録賞

「人間て、なかなか死なないもんだ」 長崎県沖でエンジンの故障により遭難し、37日後に救助された武智三繁さんがインタビューで答えた言葉。
日帰りの予定で、7月20日に自身の漁船「繁栄丸」で長崎県の崎戸港出航しエンジンが不調に。7月24日に携帯電話で修理業者に連絡を取った後に圏外に。
翌日修理業者が崎戸町の漁協支所に連絡し、その後佐世保海上保安部にも伝わり捜索が開始されます。
発見されたのは千葉県銚子市犬吠埼の東約800kmの太平洋上で、実に38日目の救助でした。
受賞者はご本人の武智三繁さん。
「ファンの皆さま本当に日本一、おめでとうございます」 プロ野球でヤクルトが10月にリーグ優勝を果たした際に、監督の若松勉さんがインタビューで答えた言葉。
本来は「ありがとうございます」と言うところ「ファンの皆様、本当にあのー、あの…、おめでとうございます」と言ってしまい、場内は笑いが起きるとともに和やかな空気に。
テレビでも大きく取り上げられ、その後もプロ野球関係者でこの言葉をネタとして使う人が見られるようになりました。
受賞者はヤクルトスワローズ監督の若松勉さん。

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他の年の流行語について

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